レガシーストレージからNVMeに移行するなら今です

ストレージインフラに不満を抱えたまま、SATAにとどまってはいけません

輸送の進化について考えながら、エンタープライズストレージの道のりを簡単に振り返ってみましょう。 

  • 最初に登場したのは人が歩く歩道です。基盤となり機能的ではありましたが、スピードは非常に遅いものでした。 
  • 次に馬が登場し、当時では考えられない速さで同じ道を進めるようになりました。しかし馬も依然として、人と同じ狭い単車線を通らなければならないという制約に縛られていました。 
  • その後、自動車が登場し、やがて複数車線の高速道路もできました。車は単に速いだけではなく、速度・規模・並列移動のために専用設計された、これまでとはまったく異なるインフラ上で動いていました。 

データセンターのストレージも同じような岐路に立っています。まずハードディスクドライブが歩道を作りました。SATA eSSDという「馬」は、ハードディスクドライブと同じ道を走っていたため、速度は上がったものの、レガシーな経路の制約を受けていました。次に登場したNVMe eSSDという「車」は、最新のコンピューティングのためにゼロから構築された複数車線のデータ経路の恩恵を受けます。サプライチェーンによって意思決定が下されてしまう前に、今こそNVMeベースのストレージへ移行すべき時です。

ストレージの新たな経済性

ITリーダーがSATAに固執する最も一般的な理由は、SATAを使えばコストが節約できるという認識です。しかし、SATAとNVMeの価格差は事実上なくなり、1ギガバイトあたりでの価格水準は今や同等になってきています。

なぜこのようなことが起きたのでしょうか。世界的なサプライチェーンはすでに先へ進んでいます。大手ストレージメーカーは、最新のエンタープライズストレージワークロードのニーズを満たすような性能と効率性を持つ製品に生産能力を割り当てるため、従来のSATA生産ラインを縮小しています。SATAコンポーネントの供給が不足するにつれて、残りの旧来製品の価格は着実に上昇しています。SATAを購入して「お金を節約する」というのは、今や過去の話です。多くの場合、レガシーテクノロジーを利用すると割高な料金を支払う結果になります。1

より少ない労力でより多くのことを:スマートインフラストラクチャの統合

ITリセラーと協力してNVMeに移行すれば、単にドライブを交換する場合とは異なり、全体としてはるかに効率的なインフラストラクチャにアップグレードできます。この場合、U.2バックプレーンやトライモードのホストバスアダプタを搭載したシステムなど、NVMeインターフェース向けに設計された最新のサーバーやディスクアレイへの投資が必要となりますが、性能と容量が飛躍的に向上しているので、それらの購入数は大幅に少なくなるはずです。

16x 7.68TB SATA SSDと1x 122.88TB NVMeを視覚的に比較

SATAインターフェースは、狭いデータ経路によって帯域幅がボトルネックになり、約600MB/sで頭打ちとなります。対照的に最新のNVMeドライブは、PCIeバスを介してコンピューティングと直接通信するため、7,000MB/sを超える速度に達することが可能です。高速道路に合流してレガシーストレージを置き去りにしてしまいます。以上を踏まえると、1台の最新のNVMe SSDは、最大12台のSATA SSD、または28台のHDDと同等の読み取りパフォーマンスを提供できることになります。

リセラーと協力してNVMe対応サーバーを導入することで、ハードウェアフットプリントも削減できます。例えば、標準の4ドライブSATA RAID 10構成から2ドライブNVMe RAID 1セットアップへ移行すると、使用可能な容量がまったく同じ状態で、読み取り帯域幅を倍増できます。SATAとNVMeドライブの価格が同等であることを考えると、追加のSATAサーバーハードウェアやインフラストラクチャ、さらにはスペースにかかる増分コストを正当化するのは極めて難しいでしょう。

32x SATA RAID 10 対 2x NVMe RAID 1サーバー

NVMeで従来のワークロードを大幅に高速化

人工知能(AI)の話題が日々ニュースの見出しを独占している昨今ですが、実際には、従来の日常のワークロードもNVMeへのアップグレードによって恩恵を受ける可能性があります。

SATAプロトコルは、もともと回転式の機械式ハードドライブ向けに構築されており、いわゆるストレージの「歩道」時代向けに設計されたものとなっています。単一のコマンドキューを使用しているため、32個のコマンドに制限されています。一方、NVMeは、フラッシュストレージを並列処理するようネイティブに構築されたもので、それぞれ64,000のコマンドを持つ最大64,000のキューをサポートしています。これは、単線の未舗装道路と64,000車線の高速道路との違いであり、交通はあらゆる方向に同時に自由に移動できます。

オブジェクトストレージ、分析やデータウェアハウジング、バックアップや復元などの従来の読み取り中心のワークロードにとって、この並列性はゲームチェンジャーとなります。 

  • 例えば、S3互換のオブジェクトストレージアプリケーションでは、NVMe はSATA eSSDの11倍の読み取りIOPS性能を提供できます。 
  • バックアップと復元のシナリオでは、NVMe eSSDはSATAの書き込み帯域幅の約6倍を実現し、より高速なバックアップウィンドウ、より高速な復元、より少ないバックアップアプライアンスを実現しています。 

こうした性能上の利点は、クエリへの応答の高速化、仮想マシンのパフォーマンスの円滑化、エンドユーザーの満足度の向上に直結します。

指標 SATA 6Gbps Solidigm D5-P5336 改善
読み込み帯域幅(MB/s) 540~560 7000以上 12.5倍
書き込み帯域幅(MB/s) 510~530 3000以上 5.7倍
読み取りIOPS 80,000~90,000 900,000~1,000,000以上 11倍
書き込みIOPS 30,000~60,000 25,000~40,000以上 0.67倍

強固な基盤の上にデータインフラストラクチャを構築

SATA SSDの行く末は行き詰まっています。コンポーネントが完全に使用できなくなるまで待つと、緊急に高価な移行をする必要に迫られる可能性があります。問題は、今、自分の意志で本線に合流するか、あるいは、良い選択肢が残されていない舗装されていない道に取り残されるかどうか、ということだけです。

次回、データセンターの更新を計画する際には、ITリセラーに最新のNVMeベースのインフラストラクチャの設計を依頼してください。最新のNVMeベースのサーバーとストレージアレイに投資することで、コアビジネスアプリケーションが比類のないパフォーマンスを発揮し、将来に向けてITフットプリントをよりすっきりと効率的にすることができます。


著者について

Dave Sierra(デイブ・シエラ)は、Solidigmの製品マーケティングアナリストとして、今日のデータセンターが直面するインフラ効率化という課題に取り組んでいます。

  1. SATA Premium – SATAのTCO(総所有コスト)に影響する要因には、価格に対する供給制限の影響、消費電力の増加による運用コストの増加、物理ストレージのフットプリントの拡大などがあります。結果は、ワークロード、実装規模、交渉価格によって異なります。