本ホワイトペーパーでは、厳密で検証可能な分析を通じて、VAST DataのAIオペレーティングシステムを搭載し、Solidigm™ D5-P5336 高密度122TBクアッドレベルセル(QLC)SSDを利用した実効容量1エクサバイト(EB)のストレージソリューションが、30TBハードディスクドライブ(HDD)とCEPHソフトウェアを用いる従来型アプローチと比較して、10年間の総保有コスト(TCO)を大幅に低減できることを示しています。Solidigmは主にハードウェア企業であるため、本分析は、ストレージを中心としたハードウェアと運用費用(OpEx)の影響だけに焦点を合わせています。
Solidigm+VASTソリューションは、10年間のハードウェアとOpExのTCOを、約3,519万米ドルと推計しており、8,562万米ドルと算定したHDD/CEPHソリューションのTCOと比較して、58.9%の大幅なコスト削減を実現します。
| コスト区分 | HDD/CEPH(百万米ドル) | SSD/VAST(百万米ドル) | 差(百万米ドル) | 差(%) |
| 10年間のハードウェアコスト合計 | 4,077万米ドル | 2,906万米ドル | -1,171万米ドル | -28.7% |
| 10年間の電力コスト合計 | 1,365万米ドル | 313万米ドル | -1,052万米ドル | -77.1% |
| 10年間のスペースコスト合計 | 3,120万米ドル | 300万米ドル | -2,820万米ドル | -90.4% |
| 10年間のTCO合計 | 8,562万米ドル | 3,519万米ドル | -5,043万米ドル | -58.9% |
表1. ハードウェアとOpExだけに関する10年間の推計TCOサマリー1(注:合計値は四捨五入)
本分析は、1EBの導入に焦点を合わせていますが、示された基本的な経済的優位性は、容量が最小20ペタバイト(PB)規模から成立し、ゼタバイト(ZB)規模まで外挿可能です。
この大幅なハードウェアおよびOpExのコスト優位性は、Solidigm+VASTアーキテクチャに内在する複数のファクターが相互に作用することから生じており、大規模ストレージの経済性を根本から再定義します。この要素の相乗効果によって、累積的な利益構造を形成します。Solidigm 122TB QLC SSDで実現できる飛躍的に向上したストレージ密度で、物理的なフットプリントを大幅に削減します。必要なドライブとシャーシの数が低減し、データセンターのラック数は大幅に低減します。この初期段階における物理ハードウェアの削減は、ドライブ自体の取得コストの低減に直結し、結果的に、電力とスペースの運用費用の削減にもなります。
さらに、VAST Dataの高度なソフトウェアが累積的な効率性の向上に寄与します。類似データの削減は、データの類似したブロックにおける差分だけを保存することで、物理的に導入した容量を超える大幅な容量の削減を達成します。さらに、革新的で、フラッシュ向けに最適化したイレージャーコーディングにが、データ保護のオーバーヘッドを業界最小レベルに低減します。この進歩は、VAST Dataによる拡張済みの10年間の運用インフラの寿命と組み合わせ、VAST Dataの包括的な保証(QLCの耐久性を含む)で支えられており、高コストで運用を中断するような、3年か4年ごとのハードウェアの更新が不要になります。この拡張済みの寿命は、TCO算定における極めて重要な要因で、従来のHDDベースのシステムに内在する大規模な設備投資サイクルが不要になります。
このファクターが相まって、10年間にわたる設備投資の大幅な低減が実現するとともに、電力消費とデータセンターのスペース利用に関連する運用費用も大幅に削減します。この経済性は、オールフラッシュストレージが高性能、低容量の階層に限定されていたという従来のパラダイムに挑んでおり、本分析は、オールフラッシュが、大規模で長期の導入において、容量重視のワークロードに対しても、よりコスト効率の高いソリューションとなり得ることを示しています。本分析は、この経済的主張に、証拠に基づく裏付けを提供しています。
SolidigmとVAST Dataは、協働してストレージの未来を設計し、性能、容量とコストの間に存在した従来のトレードオフを削減しています。本取り組みは、高密度フラッシュメモリにおけるSolidigmのリーダーシップと、VAST Dataの革新的なソフトウェア・アーキテクチャを活用して、エクサバイト時代の要求に向けて設計したソリューションを提供します。本分析は、前例のない規模でデータを管理する組織に向けて、この協働がもたらす顕著な経済的メリットを定量的に示し、より効率的で、持続可能で、コスト効率の高いストレージインフラに向けた明確な道筋を提示します。
エクサバイト規模のデータを管理する組織には、長期的に見て効率的で、信頼性が高く、高性能で、コスト効率が高いストレージソリューションが必要です。本書では、この要求を満たすために設計した、2つの異なるアーキテクチャ手法を分析します。
このソリューションを「従来型」対「最新」か「次世代」として位置づけることは、重要な物語を形成しています。最新のソリューションに対する主張は、高度なデータ削減技術とイレージャーコーディングなど、ベンダーが提供する情報と技術文書で裏付けられており、その高度な性質に信頼性を与えています。一方で、業界に広く認識されている従来型システムの制約についても、業界の観察か分析で裏付けることで、新しいアーキテクチャを探求する合理性が強固になります。
本ホワイトペーパーの主な目的は、1EBの有効なストレージ容量を導入して提供した場合に、上記の2つのソリューションの間で、透明で検証可能な10年間のTCOの比較ができるようにすることです。本TCOは、ソフトウェアプラットフォームのコストを除外し、以下の項目だけに焦点を合わせます。
本試算は1EBを基準としていますが、相対的な経済的優位性はスケールに応じて拡大するため、本分析は約20PB規模の導入から、ゼタバイト(ZB)クラスに至る大規模展開においても有効です。ハードウェア取得、必須となる更新、消費電力、データセンターの設置スペースといったコスト要因を多角的に検証することで、本分析は、長期かつ大規模なストレージ基盤への投資に関して、技術リーダーが戦略的かつ情報に基づいた意思決定を行うための定量的データを提供することを目的としています。
透明な比較のために、本TCO分析は、定義した前提条件の枠組みに基づいて構築され、それぞれが公開情報、ベンダー仕様、業界レポートか、該当する場合には、ベンダーによる直接の証明で裏付けられています。本分析の目的は、現実的ではあるが、特定のシナリオを提示し、エクサバイト規模でストレージを導入した場合の潜在的な経済性を反映することにあります。TCOモデル全体の有効性は、上記の基本的前提条件の信頼性に依拠しています。したがって、それぞれの前提条件について、裏付けとなる証拠を精査します。
本分析では、HDD/CEPHソリューションとSSD/VASTソリューションの両方で、1EBの有効なストレージ容量を提供することを目標としています。(1EB = 1,000ペタバイト (PB) = 1,000,000テラバイト (TB))
価格設定は、エクサバイト規模での調達を前提とした想定コストを反映しており、標準的なエンタープライズ向け価格か小売価格と比較して、大幅なボリュームディスカウントが適用されることを前提としています。すべての価格は米ドルです。
想定される運用寿命と交換頻度は、両ソリューション間で大きく異なることが多く、その差異は、技術的特性、保証条件と、大規模環境において性能と信頼性を維持するための運用上のベストプラクティスで牽引されます。この違いはTCOの乖離を生む重要な要因の一つで、機械式ドライブ対ソリッドステートメディアという根本的に異なる特性に加え、各ベンダーのコミットメントを対比することに依拠しています。
ストレージコストが時間とともに低下していくことを考慮し、各HDD更新(4年目と8年目)では、前回購入時と比べてTBあたり価格が25%低下すると想定しています。例えば、4年目のTB単価は初年度価格の75%、8年目のTB単価は4年目の価格の75%です。
裏付けとなる証拠:歴史的に見ると、HDDのTBあたりコストは、技術の進歩と記録密度(面記録密度)の向上に伴い、一貫して低下してきました。ただし、その低下率は時期によって変動することが知られています。Backblazeは、2017年から2022年にかけて、さまざまなドライブ容量帯において、年平均9%超の価格低下を観測しています。5 4年間で25%の価格低下は、年平均で約7%の低下に相当し、HDD市場における継続的な技術進歩を見込みつつ、大量調達を前提とした契約価格として十分に現実的な水準であると考えられます。
10年間で、HDDは2回の全面更新が必要であるのに対し、SSDは更新を要しないという、想定される運用寿命の大きな差は、TCOの乖離を生む根本的な要因となっています。この差異は、技術の物理的特性、アクティブ運用下におけるHDDの故障率推移として観測されている傾向に加え、QLC SSDの耐久性を管理するために VAST Dataソリューションが提供する固有のソフトウェア機能と保証コミットメントに基づくものです。
生のストレージ容量が実効容量に変換される効率は、ファイルシステムの要件、データ保護の必要性と、データ削減技術によって大きく異なります。効率に関するこの初期段階の前提条件は、必要となる生の物理容量の合計を規定するため、ハードウェア台数、消費電力、スペース利用に連鎖的に影響を及ぼすという点で、非常に大きな乗数効果を持ちます。
ファイルシステムのメタデータによるオーバーヘッド:HDD/CEPHソリューションとSSD/VASTソリューションの両方で、ファイルシステムのメタデータによるオーバーヘッドを10%と想定しています。
裏付けとなる証拠:ファイルシステムのメタデータ(ファイルの格納場所、属性、アクセス権などの管理)には、生のストレージ容量の一部が消費されます。実際の割合は、使用するファイルシステム、保存するファイルの平均サイズ、その他の構成要素によって異なり、非常に大きなファイルが中心の環境では1%未満となる場合もあれば、極端に小さなファイルが大半を占めるシステムでは20%を超えることもあります。業界のガイドラインと実運用に基づく経験則では、大規模で混在用途の環境における計画値として、10%を妥当な目安とするケースが一般的です。例えば、AWS FSx for ONTAPでは、一般的なファイルサイズに対して3~7%を示唆していますが、容量プール型ストレージに関連するメタデータについては、10%のオーバーヘッド(データ10GiBあたりSSD 1GiB)を見込んで計画することを推奨しています。VMware vSAN ESAにおいても、グローバルメタデータ用として約10%を割り当てています。
データ保護によるオーバーヘッド:ドライブ障害からデータを保護するために、ユーザーデータ容量を超えて必要となるストレージ容量は、採用する保護方式によって異なります。
裏付けとなる証拠:このオーバーヘッドのレベルは、イレージャーコーディングを採用した大規模HDDベースシステムにおいて、耐障害性(複数ドライブ障害への対応)と容量効率の一般的なバランスを反映したものです。具体的なオーバーヘッドは、k+m形式などのイレージャーコーディング方式によって決定されますが、12.5%という値は、8+1構成に相当するオーバーヘッド(あるいは、一般的な14+2構成の14.3%よりもやや効率的)に該当します。これは、エクサバイト規模において適切に構成された CEPH クラスターであれば、合理的で達成可能な効率目標を示しており、一般的な障害シナリオに対する堅牢なデータ保護を維持しつつ、実効容量を最優先しています。
裏付けとなる証拠:VAST Dataは、フラッシュメディアに最適化した、独自の特許取得済みのローカルデコード可能なイレージャーコードを導入しています。このコードは、多くのHDDベースシステムで使用している従来型の Reed-Solomonコードと比べ、はるかに広いストライプ幅(例:146 データチャンク + 4 パリティチャンク、すなわち 146+4)が可能です。ストライプ幅が広がり、相対的なオーバーヘッドを大幅に削減します。146+4構成の場合、オーバーヘッドは m/k = 4/146 ≈ 2.7%となります。
データ削減効率:重複排除と圧縮といったデータ削減技術は、論理データを保存するために必要な物理容量を減らすことで、ストレージ効率をさらに高めることができます。想定されているデータ削減能力の大きな差(HDD/CEPHでは0%に対して、Solidigm SSD/VASTでは2.5:1)は、極めて重要であり、基盤となるメディアの性能特性に基づき、十分な根拠が必要です。
VASTの高効率なイレージャーコーディング(低オーバーヘッド)と、効果的なデータ削減技術の組み合わせた結果、ストレージ効率には顕著な複合効果が生まれています。その結果として、Solidigm+VASTソリューションは、HDD/CEPH方式と比較して、目標である1EBの実効ストレージ容量を提供するために必要な生の物理容量が大幅に少なくなります。
オーバーヘッドとデータ削減の前提条件に基づき、各ソリューションで必要となる生の物理容量の合計を以下のとおり推計しました。
| パラメーター | HDD/CEPH | Solidigm SSD + VAST |
| 実効容量目標(EB) | 1.000 | 1.000 |
| ファイルシステムのオーバーヘッド係数 | 1 / (1 - 0.10) | 1 / (1 - 0.10) |
| FSオーバーヘッド後の容量(EB) | 1.111 | 1.111 |
| データ保護によるオーバーヘッドファクター | 1 + 0.125 | 1 + 0.027 |
| 保護後の容量(EB) | 1.250 | 1.141 |
| データ削減率 | 1:1 | 2.5:1 |
| 算出した必要な生の容量(EB) | 1.250 | 0.456 |
表2. 実効容量対生のドライブ容量の算出
この算出は、効率における明確な差を示しています。Solidigm+VASTソリューションは、同じ1EBの実効容量を提供するために必要な生の物理ストレージが、HDD/CEPHソリューションと比べて約 2.7分の1になっている (1.250EB / 0.456EB)ことが分かります。この必要となる物理ハードウェアの根本的な差は、後工程で、コンポーネント数、設備投資額、消費電力、スペース利用に削減効果をもたらします。
図1. SSD対HDDエクサバイト級ストレージで算出した生の容量
算出した生の容量の要件を、初期導入時に必要となるコンポーネント数に換算すると、以下のとおりです。
| コンポーネント | HDD/CEPHソリューション | Solidigm SSD/VASTソリューション |
| Seagate 30TB HDD | 41,667 | 0 |
| Solidigm D5-P5336 122TB SSD | 0 | 3,738 |
| 4U 90ベイHDDシャーシ(推計) | 463 | 0 |
| 1U VAST Ceres SSDシャーシ(推計) | 0 | 170 |
表3. ハードウェアコンポーネントの概要
表3は、Solidigm+VASTソリューションにおいて必要となる物理コンポーネントの数が大幅に削減されていることを明確に示しています。具体的には、ドライブは約11分の1、シャーシは約2.7分の1にまで削減されています。この数値は、生の容量の算出とベンダーが規定するコンポーネント容量に直接基づくもので、物理的なスケール差を具体的に容易に理解できるようにしています。
最新の、合理的的に効率的なデータセンター環境の標準的な前提条件を使用しています。
ハードウェア規模とインフラの前提条件に基づき、物理的なフットプリントと電力要件を以下のように推計します。
| パラメーター | HDD/CEPH | Solidigm SSD/VAST | ユニット |
| 必要な生の容量の合計 | 1.250 | 0.456 | EB |
| ドライブ数合計 | 41,667 | 3,738 | ドライブ |
| シャーシ数合計 | 463 | 170 | シャーシ |
| シャーシUの高さ | 4 | 1 | U |
| Uスペース合計 | 1,852 | 170 | U |
| IT電力合計(平均/稼働時) | 733.86 | 170 | kW |
| 必要ラック数 | 52 | 5 | ラック |
| 施設電力合計(1.4のPUEを含む) | 1038.56 | 238 | kW |
| 平均 ラックあたりのIT kW(搭載時) | 14.27 | 34.0 | kW/ラック |
| 平均 ラックあたりの重量(搭載時) | 1325 | 1153 | kg/ラック |
表4. インフラのフットプリント比較の推計
本インフラのフットプリント分析は、Solidigm+VASTソリューションによって実現した、劇的な物理的集約を定量化しています。Solidigm 122TB SSDの高密度化と、VASTソフトウェアによる効率性向上により、オールフラッシュ方式では、必要なラック数を10分の1以上削減します(5ラック対52ラック)。HDDのシャーシオーバーヘッドが大きくなることで、施設全体の電力消費の差がさらに拡大します(SSD/VASTの238kWに対して、HDD/CEPHの1,038.56kW)。物理的・電気的フットプリントのこの差は、コンポーネント仕様と業界標準のデータセンター指標に基づいており、TCOにおけるOpEx変動の主な要因となっています。
図2: SSD対HDDエクサバイト級ストレージで必要なラック数合計
以下のコスト区分は、TCO算定から意図的に除外しています。
本セクションでは、前章で確立したフレームワークに基づき、両方のストレージソリューションで、10年間のTCOを算出し、比較し、ハードウェアの取得と更新、電力消費と、データセンターのスペースに関する費用を集計します。本分析は、Solidigm SSD/VASTソリューションが初期投資では高額になるが、更新コストと運用費用における大幅な長期にわたる削減によって、いかに相殺できるかを示しています。
| コストのコンポーネント | HDD/CEPHコスト(百万米ドル) | Solidigm SSD/VASTコスト(百万米ドル) |
| 初年度(初期ドライブ) | 1,663万米ドル | 2,736万米ドル |
| 初年度(初期シャーシ‐推計) | 232万米ドル | 170万米ドル |
| 初年度合計 | 1,895万米ドル | 2,906万米ドル |
| 4年目(HDD更新‐ドライブだけ) | 1,247万米ドル | 0.00米ドル |
| 8年目(HDD更新‐ドライブだけ) | 935万米ドル | 0.00米ドル |
| 10年間のハードウェアコスト合計 | 4,077万米ドル | 2,906万米ドル |
表5:10年間の推計ハードウェア投資額の比較
Solidigm+VASTソリューションの初期ハードウェア投資額は、HDD/CEPHソリューションより約53%高いと推計しています。ただし、HDDソリューションでは、2回の全面的なドライブ更新に起因して(約2,180万米ドルの追加)10年間のハードウェアコスト合計は、オールフラッシュソリューションより約40%高くなります。このことは、ライフサイクルに関する前提条件が与える決定的な影響を示しています。すなわち、HDDは初期費用が低いが、繰り返し発生する交換サイクルに起因して、10年スパンでは割高になります。より長寿命のSSDソリューションでは、VAST Dataの10年間保証に支えられて、コストを回避できます。
図3: SSD対HDDエクサバイト級ストレージの10年間のハードウェアコスト合計
| パラメーター | HDD/CEPH | Solidigm SSD/VAST | ユニット |
| IT電力合計(平均/稼働時) | 733.86 | 170 | kW |
| PUEファクター | 1.4 | 1.4 | - |
| 施設の電力合計 (kW) | 1038.56 | 238 | kW |
| 年間エネルギー消費 | 9,098,194 | 2,085,120 | kWh |
| kWhあたりのコスト | 0.15米ドル | 0.15米ドル | 米ドル/kWh |
| 年間電力コスト | 1,364,729米ドル | 312,768米ドル | 米ドル |
| 10年間の電力コスト合計(百万米ドル) | 1,365万米ドル | 313万米ドル | 百万米ドル |
表6:10年間の推計電力コスト比較
Solidigm+VASTソリューションは、コンポーネントを低減し、エネルギー効率を高めた結果、HDD/CEPHシステムと比較して施設の電力消費合計を約77%削減しています。これは、10年間で1,050万米ドル超の直接的な電力コスト削減に相当します。この運用コストの削減は、SSD技術の優れた高密度性と効率性に加え、VASTアーキテクチャの直接の結果です。
図4. SSD対HDDエクサバイト級ストレージの10年間の電力コスト合計
| パラメーター | HDD/CEPH | Solidigm SSD/VAST | ユニット |
| ラック数 | 52 | 5 | ラック |
| ラックあたり月額コスト | 5,000米ドル | 5,000米ドル | 米ドル |
| 年間スペースコスト | 3,120,000米ドル | 300,000米ドル | 米ドル |
| 10年間のスペースコスト合計(百万米ドル) | 3,120万米ドル | 300万米ドル | 百万米ドル |
表7:10年間の推定スペースコスト比較
Solidigm SSD/VASTソリューションは、極めて高い密度(5ラック対52ラック)によって、10年間で約2,820万米ドルのスペースコスト削減を実現すると推計しています。このことが強調しているのは、ストレージ密度が牽引する物理的フットプリントが、特にプレミアムのデータセンターラックスペース利用する場合、長期の大規模導入において、いかに主要な経済的差別化要因になるかということです。
| コスト区分 | HDD/CEPH(百万米ドル) | Solidigm/VAST(百万米ドル) | 差(百万米ドル) | 差(%) |
| 10年間のハードウェアコスト合計 | 4,077万米ドル | 2,906万米ドル | -1,171万米ドル | -28.7% |
| 10年間の電力コスト合計 | 1,365万米ドル | 313万米ドル | -1,052万米ドル | -77.1% |
| 10年間のスペースコスト合計 | 3,120万米ドル | 300万米ドル | -2,820万米ドル | -90.4% |
| 10年間のTCO合計 | 8,562万米ドル | 3,519万米ドル | -5,043万米ドル | -58.9% |
表8. ハードウェアとOpExだけに関する10年間のTCOの削減概要の包括的推計額ー(注:合計値は四捨五入)
包括的な10年間のTCO分析は、HDDシャーシの電力オーバーヘッドの増大を反映しており、Solidigm+VASTのオールフラッシュ型ソリューションの経済的優位性がさらに高まっています。HDD/CEPHソリューションは、電力コストが高くなっており、広大なスペースのフットプリントと相まって、TCOを押し上げています。HDDは、テラバイトあたりの初期コスト低くなるかもしれませんが、効率が低くなり、更新サイクルが短くなり、電力とスペースの要求が高くなることに関連した累積費用によって、エクサバイト規模で10年間のスパンで見ると、割高な選択肢となります。
10年間のTCO分析は説得力のある定量的比較を提供しますが、定性的なファクターも、2つのソリューションを差別化し、最新のデータセンターにおける全体的な価値提案と戦略的適合性に大きな影響を及ぼします。この側面は、上記のTCOの算定の直接的な要素にはなっていないものの、全体的な評価に不可欠であり、直接的なコスト削減を超えた戦略的優位性につながることがよくありますります。
媒体における根本的な差(機械式の回転ディスク対フラッシュ)の結果、桁違いの性能の差が生じます。HDDは、ミリ秒レベルのレイテンシーがありますが、IOPSはドライブあたりで通常は数百程度にとどまります。Solidigm SSDは、特に、VAST Dataのような最適化したシステムにおける NVMeベースのQLCドライブでは、マイクロ秒レベルのレイテンシーと、はるかに高いIOPSと帯域幅を実現できます。4
Solidigm+VASTソリューションでは、HDD/CEPH設定と比較して、物理コンポーネント(ドライブ、シャーシ、ラック)が大幅に少なくて済みます。SSDは、一般にHDDよりも年間故障率(AFR)が低く、特にHDDが初期稼働から数年を経過して老朽化すると顕著になることが知られています。3 SSD/VASTソリューションでは、10年間にわたりハードウェア更新が不要である点が、HDDフリートで必要となる更新が、2回にわたり、全面的で中断を伴い、作業負荷が高いこととは対照的です。
環境上の配慮は、組織と顧客にとって重要です。
オールフラッシュ型ソリューションによる効率性は、重要なデータセンターのリソースを解放する可能性があります。
| ファクター | HDD/CEPHの評価 | Solidigm SSD/VASTの評価 |
| 性能 | ||
| レイテンシー | ミリ秒レベルのレイテンシー | マイクロ秒レベルのレイテンシー |
| IOPS | 低いIOPS(ドライブあたり100~200程度) | 非常に高いIOPS(システムあたり10万超) |
| 帯域幅/スループット | 中程度のシーケンシャルスループット | 非常に高いシーケンシャルスループット |
| 信頼性とメンテナンス | ||
| コンポーネント数と故障ポイント | 非常に高いドライブ/シャーシ数 | 非常に低下したドライブ/シャーシ数 |
| ドライブ故障率(AFR) | 高くなったAFR(通常は1~3%以上、経年で上昇) | 概して低くなったAFR(約0.5~1%) |
| ハードウェア更新 | 2回にわたり、中断を伴う大規模な更新が必要 | ハードウェア更新不要(10年保証) |
| メンテナンス作業量/必要FTE | コンポーネント数、故障率、更新に起因して高い | コンポーネント削減、AFRの低減、更新不要に起因してより大幅に低減 |
| 10年間の環境プロファイル | ||
| 内包炭素(ライフサイクル) | 初期のドライブあたりのCO2換算排出量は低いが、更新に起因して製造サイクルは3回必要 | 初期のドライブあたりのCO2換算排出量は高いが、製造サイクルは1回で済み、必要な生の容量が低減 |
| 運用電力 | ドライブの機械構造、膨大なコンポーネント数、シャーシの高いオーバーヘッドに起因して、非常に高い電力消費 | フラッシュの効率性と密度に起因してより、大幅に低減した電力消費(約77%低減) |
| 電子廃棄物 | 2回にわたる全面的なハードウェア更新に起因して、多量の電子廃棄物が発生 | 更新に関連する電子廃棄物を回避 |
| 材料の使用量 | 密度の低減に起因して、必要な原材料が増加します。 | 極めて高い密度に起因して、必要な原材料が低減します。 |
| 戦略的影響 | ||
| リソース再配分 | 消費するスペース(2,800万米ドル超のコスト増加)と電力(約800kW超)が著しく増加し、拡張を制限します。 | 相当量の電力(約800kW)と、特にスペース(47ラック、2,800万米ドル超のコスト削減)を解放し、再配分できるようになります。 |
| AI/GPUの加速: | 性能の上限が、GPUのボトルネックになる可能性があります。 | 高性能がGPUを効果的に満たし、AI/MLを加速します。 |
表9. 定性的ファクターの比較
本ホワイトペーパーで提示した分析は、1エクサバイトの実効容量を導入するにあたり、2つの異なる技術アプローチを用いた場合の10年間の総所有コスト(TCO)を、ハードウェアと運用費用に焦点を合わせ、データに基づいて比較したものです。
本フレームワーク内部における前提条件と算定に基づき、結果は、最新のオールフラッシュ型ソリューションが優位であることを示しています。Solidigm D5-P5336 122TB QLC SSDは、VAST Data AI Operating Systemと組み合わせると、10年間のTCOが低減することを示しており、算定によると3,519万米ドルで、これと比較して、CEPHが管理する従来の大容量HDDソリューションは8,562万米ドルとなっています。これは、10年間で、推計して5,043万米ドルで、率にして約58.9%の削減に相当します。
この説得力のある経済的優位性は、Solidigm+VASTアーキテクチャに内在する複数のファクターが重なり合ってもたらされています。
TCO削減にとどまらず、Solidigm+VASTソリューションは、AI/MLワークロードに対する優れた性能、メンテナンス負荷の低減、高い信頼性の向上と、長期的な持続可能性の強化といった、重要な定性的・戦略的優位性を提供します。電力とスペースの削減は、データセンター内部でのリソース再配分に貴重な機会を提供し、高コストな設備拡張を先送りするか、回避する可能性ももたらします。
とりわけ重要なのは、本分析が示唆しているところでは、 "colder" データのために低コストのHDD階層を別途設ける必要があるという従来の前提が、10年のスパンで検討すると、もはや経済的に正当化されない可能性があるという点です。新規データセンターの構築か大規模な容量拡張の場合は、特にそうです。効率が低く、寿命が短いHDDインフラを大規模に管理する際の累積コストは、初期の調達コストの優位性を上回る可能性があります。パラダイムは変化しており、単一の高密度で、効率的なオールフラッシュ階層が、性能要件の厳しいアプリケーションに限らず、より広範なデータにおいても、最も経済的な手法となり得ることを示唆しています。
エクサバイト規模でストレージインフラを計画し、投資する組織にとって、Solidigm QLC SSDと、VAST Dataのソフトウェアを搭載したオールフラッシュ・アーキテクチャへの移行は、本質的により経済的、効率的で、戦略的に優れた前進の道筋を示しています。証拠が示しているのは、Solidigm+VASTソリューションが、大幅なコスト削減にとどまらず、データ主導の未来がもたらす課題に対応し、その機会を最大限に引き出すために必要な性能、信頼性と拡張性を提供しているということです。
Dave Sierraは、Solidigmの製品マーケティングアナリストとして、今日のデータセンターが直面するインフラの効率化という課題の解決に取り組んでいます。
本書に提示している推計値は、情報提供のためだけのものです。一部の結果は、Solidigm社内その他の分析か、アーキテクチャのシミュレーションかモデリングを使用して評価するかシミュレートしたものです。テストでは、特定のシステムでの個々のテストにおけるコンポーネントのパフォーマンスを文書化しています。
Solidigm の各種技術が提供する機能と利点は、システム構成によって異なり、対応するハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。ハードウェア、ソフトウェア、システム構成などの違いにより、実際のパフォーマンスは掲載されたパフォーマンステストや評価とは異なる場合があります。結果は状況によって異なります。
Solidigmは、サードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。ご購入を検討される際には、ほかの情報源も参考にして、正確性や性能を評価することをお勧めします。パフォーマンスの測定結果は構成情報に記載された日付時点のテストに基づいています。また、現在公開中のすべてのセキュリティアップデートが適用されているとは限りません。詳細については、公開されている構成情報を参照してください。
本資料に記載した内容はすべて、明示されているか否かにかかわらず、いかなる保証も行うものではありません。ここにいう保証には、商品適格性、特定目的への適合性、および非侵害性の黙示の保証、ならびに履行の過程、取引の過程、または取引での使用から生じるあらゆる保証を含みますが、これらに限定されるわけではありません。