VAST Data、価格を重視したソリダイムの SSD 製品を活用してストレージを再定義

顧客が求めているのは、高速でありながらもコストを抑えたソリューションです。ストレージに関して言うと、残念ながら従来のソリューションを選ばざるを得ない現状がありました。多くの場合、さまざまなデータやアプリケーションごとに速度と効率性の要件を満たすには、複数のストレージシステムを選択しなければならず、これはビジネスで何を重視するかによって異なります。

ここでは、VAST Data (以下、VAST) がソリダイムの高密度 QLC SSD 製品を採用し、低コストでありながら社内の全データを十分に処理できる単一システムを構築した方法について、詳しく紹介します。ホワイトペーパーをダウンロード、またはこのページを読み進めて、詳細をご覧ください。

VAST とソリダイムはパートナーシップを締結しAI 時代の企業の意欲に応えることができる唯一のデータ・プラットフォームの実現に乗り出しました。解決すべき問題は、分析、AI、マシンラーニング、ディープラーニングといった新しいアプリケーションの要件に対応できる、これまでになかったタイプのストレージシステムの構築です。これを実現すれば、多くの企業がデータの価値を最大限に引き出し、次のような目的に活用できます。 

  • 可能な限り的確な意思決定
  • イノベーション
  • 問題の解決

従来のデータストレージにおける問題 最速のシステムとなると、小型でも極端に高コストとなる傾向は避けられず、通常は最も貴重なデータの保存のみに限定されます。この最上位クラスに続く大半のストレージは、コストを抑え、ややパフォーマンスは低いながらも十分な容量を備え、それ以外の要件にもすべて対応します。問題なのは、この階層構造が人為的に作られているという点です。
あらゆるデータには価値があり、形勢を逆転させるような情報はどこにでも存在します。ビジネス運営に AI を導入する企業はますます増え、こうしたアプリケーションは社内の全データにアクセスできてこそ最適に機能します。多くのデータに高速にアクセスできるほど、ビジネスの競争優位性は高まり、成功につながりやすくなることは間違いありません。
実質的に規模の制限がなく、高速かつ手ごろな価格でデータにアクセスできることは、もはや選択肢ではなく、ビジネスにおける必須要件です。この実現に向けて、ストレージへの新しいアプローチが必要とされていました。

「VAST のプラットフォームによって、従来の貴重なデータに限らず、大量のデータから価値を引き出すことが可能になります。
VAST Data 特命全権テクノロジスト、Howard Marks 氏

例えば、顧客は以前、粉飾決算を防止するサーベンス・オクスリー法に従い 10 年間のデータ保存が義務付けられているため、安価で大容量の磁気ディスクにアーカイブを保管していました。このシステムから得られるメリットといえばコンプライアンスの遵守に限られ、データ検索に十分な速度もなければ、そこから何か重要な情報を引き出せるわけでもありませんでした。今ならこのデータを VAST プラットフォームに格納してデータレイクを構築し、ディープラーニングやマシンラーニングのツールを駆使して、真のビジネス価値を生み出すことができます。既存データの中から、存在さえ知らなかった重要な情報を発見することもできますが、これは数年相当のデータの蓄積があって初めて浮かび上がるパターンを発見できるからです。例えば、ある女性が 3 年おきに新しいクリスマスツリーを購入していると分かれば、まさにその年に特典オファーを進呈し、確実に購入を促すこともできます。高速で手ごろな価格のストレージにより、これまでは不可能だった、あるいは発見するだけでも高額のコストを要したこうしたデータを活用して、事業の計画や意思決定、成果につながる情報を抽出できるようになります」VAST: ユニバーサル・ストレージの提供VAST は、AI 時代に立ち向かう企業の意欲とニーズに応え、最終的に組織の全データをオールフラッシュに格納するという目標達成に向け、データ・プラットフォームを開発しました。データ階層の必要性を排除しトレードオフを解消するため、全く新しい拡張可能アーキテクチャーを基盤とする、ユニバーサル・データストアをゼロから構築しています。VAST では、プラットフォーム内のすべてを可能な限り高速化 / 効率化できるように、確実な最適化を図りました。このビジョンの実現に向け、ソリダイムの高密度クアッドレベル・セル (QLC) ソリッドステート・ドライブ (SSD) の価値を最大限に引き出し、従来の SSD を上回る効率性、耐障害性、統合しやすさを追求して、総保有コスト (TCO) を削減しています。VAST プラットフォームは、組織の全データを十分に処理できる大容量ストレージを低コストで実現し、あらゆるツールや AI ベースのアプリケーション (分析、マシンラーニング、ディープラーニングなど) を駆使して、そのストレージ内のデータへの高速アクセスを可能にします。その結果、企業が求めるすべてのアプリケーション要件を満たし、インテリジェンスを最大限に引き出して、データに基づいた意思決定、インサイトの抽出、イノベーションにつなげることができる、単一システムを構築できます。VAST とソリダイムの連携: ストレージのパラダイム転換ユニバーサル・ストレージ・システムが実現すれば、企業はもうパフォーマンスと容量のどちらか一方だけを選ぶ必要はなくなります。VAST は、ソリダイムの高密度 QLC 不揮発性メモリー・エクスプレス (NVMe) SSD の価値を最大限に引き出しました。ソリダイムの QLC SSD は、リード負荷の高いあらゆる AI ベースのワークロードに求められる要件を十分に満たします。従来のストレージシステムでこうした要件を満たし、理にかなったビジネス運営を成り立たせるのは極めて困難です。これらのワークロードの大半は、レイテンシーの影響は特には受けないものの、帯域幅が重視されます。例えば顔認識では、まず写真全体を読み取ってから、その情報を使用して解析します。ソリダイムの QLC SSD ならば、こうした AI ベースのアプリケーションに必要なデータ要件に応えるパフォーマンス、容量、耐久性のすべてを備え、企業ストレージ・インフラストラクチャーの全体的な効率を向上させます。大半の顧客ユースケースで、オール TLC アレイのオブジェクト・ストレージと比較して、ラック・フットプリントを 3 分の 1 に縮小、電力コストを 20% 削減、総ソリューション・コストを 31% 削減することが可能になります。[1]

ソリダイムの SSD 製品によって、幅広いユースケースとアプリケーションの要件を満たすソリューションを魅力的な価格帯で提供できるようになりました。
VAST Data 特命全権テクノロジスト、Howard Marks 氏

大規模なスケーラビリティー

VAST は、ロード・バランシングを含めた多くのデータ管理機能を自動化し、企業が求めるあらゆるアプリケーション要件を満たす、極めて効率的かつスケーラブルな方法で確実にトラフィックを処理する、独自のプラットフォームを構築しました。VAST の分散型シェアード・エブリシング (DASE) アーキテクチャーは、現在だけでなく将来的な AI ワークロードの要件を満たす、実質的に無制限の拡張性とパフォーマンスを提供します。「複数の SSD サイズを備えることで、[VAST] が対応できる性能と容量の範囲が広がります。性能密度要件の極めて高い顧客にはできる限り小型の SSD を、このプラットフォームをバックアップ対象として使用する顧客には要件を上回るパフォーマンスを提供します」と Marks 氏は述べています。VAST システムは、容量 300TB のフラッシュストレージから始まり、ソリダイムの複数 QLC SSD 製品で構成される、顧客の多様な要件に合わせて容量を提供できるソリューションです。ソリダイムが NVMe ストレージ・テクノロジーを採用したことで、システム設計に高度な拡張性が備わり、現在だけでなく将来的な AI 時代のアプリケーション要件にも対応できるようになりました。VAST プラットフォームは現時点で 15TB の E1.L、15/30TB の U.2 を用意していますが、まもなく最大 61.44TB、1U シャーシに最大 2PB 格納可能なソリダイム™ D5-P5336 での展開を予定しています。高度なパフォーマンスフラッシュの特性を活かしパフォーマンスと耐久性を重視したプラットフォームをゼロから構築することで、比類のないアップタイムと信頼性を VAST の顧客に提供することができます。VAST プラットフォームでは、大幅な自動化と I/O シェーピングを図り、可能な限りの高速化と効率化を実現しました。例えば、QLC フラッシュの耐久性を管理、つまり SSD が必要なブロックサイズを把握して、内部でページの部分的な書き込み処理や「ガベージ・コレクション」に耐久性を無駄に消費しなくてすむようにするため、顧客はワークロードの違いに合わせて調整する必要がなく、AI 主導の成果に集中できるようになりました。トラフィックをソリダイムの QLC SSD に直接送信し、データ負荷の高いリード処理中心のワークロードにパフォーマンスを最適化するように設計されています。ソリダイムの第 4 世代 QLC SSD は、HDD と比べて 600 倍高速のリード性能を実現します。[2] 幅広い多様な構成で総保有コスト (TCO) を低減VAST プラットフォームは、大規模ビジネス向けのアプリケーションからアーカイブまで、あらゆるデータストレージ要件を満たしながら、コストを抑えた単一のシステムを企業へ提供するために設計されています。この目的を達成するため、企業環境で実際に使用する必要なものの提供に焦点を絞り、従来のシステムに速度低下とコスト負担をかけていた不要な機能を排除しました。ワークロードを直接 QLC SSD に送信することで、ソリダイムの効率化された設計のメリットが加わり、さらにプラットフォームの総保有コスト低減につながります。幅広い構成にわたり、HDD と比較して最大3倍のラック密度 [3]、電力コスト 20% 削減を実現します。[4] わずか 2 x 5.25 インチのコンパクトな実装面積で、スペース、電力、冷却を最小限に抑えたソリダイムの極小フォームファクターにより、VAST はこれまでのストレージ領域を押し広げた幅広い構成が可能。

次のステップ

ソリダイム™ D5-P5336 が実現する、最先端のテクノロジー要件に応えるカスタマイズされたデータ・ストレージ・ソリューションの仕組みについて、詳しくは製品概要をこちらからダウンロードしてご覧ください。


[6] 30.72TB のソリダイム™ D5-P5430 (スループット 7,000MB/s、平均動作時電力 25W、アイドル時電力 5W) と、15.36TB (最大容量) の Micron 7450 (スループット 6,800MB/s、平均ライト動作時電力 20W、アイドル時電力 5W、データシートを参照) との、総保有コスト (TCO) の比較。 ラック容量 42U のうちストレージに 34U を使用し、サーバー当たり 24x U.3 TLC ドライブと 36x E3.S QLC ドライブを搭載する 2U サーバーを想定。同等の 1TB 当たりスループット (TLC アレイは 20%、オール QLC ソリューションは 38.9%) となるようにデューティー・サイクルを算出。どちらの構成にも、RAID1 ミラーリングと 5 年間の更新サイクルを適用。主な共通の想定コスト: 電力コスト = 0.15 ドル / KWHr、PUE 係数 = 1.60、未使用ラック購入コスト = 1,200 ドル、システムコスト = 1 万ドル、導入期間にわたるラック使用コスト = 17 万 1,200 ドル。ソリダイム社内の TCO 概算ツールを使用し、2023年3月時点のソリダイムによる TCO の見積から算出。