データがもたらす洞察と発見が輝いたスーパーコンピューティング2024

Data storage experts discuss Solidigm 122TB SSD
Data storage experts discuss Solidigm 122TB SSD

International Conference for High Performance Computing, Networking, Storage, and Analysis(高パフォーマンスなコンピューティング、ネットワーキング、ストレージ、分析のための国際会議)、別名スーパーコンピューティング会議では科学技術計算と、膨大なデータを分析して科学分野全体から新たな洞察や発見をもたらすプラットフォームについて毎年、調査しています。この会議では、スーパーコンピューティングシステムの進歩に大きな注目が集まります。今年、アトランタで開催された会議では、ローレンス・リバモア国立研究所の「エル・キャピタン」が2エクサフロップスを超える演算能力を記録し、新たに世界ナンバーワンのスーパーコンピューターになったことが発表されました。 

専門家との対話

Solidigmのチームは、科学者がデータを用いて世界に対する理解を深める方法、新たな洞察を可能にするコンピューティングの進歩、そして容量が122TBあるSolidigmの新しいSSDが今後どのようにHPCクラスターのパフォーマンスを変革していくかについて明らかにするために、この会議に参加しました。ここでは、Solidigmのチームが専門家と話してわかった、世界を変えるアプリケーションでのデータ活用方法についてご紹介します。

1. コンピューターから連星まで、NASAでの活用

NASAの気候シミュレーションセンターで高パフォーマンスコンピューティング部門を率いるローラ・キャリエール氏に、NASAが大気中のエアロゾルをどのように調査し、大気質や気候変動を測定しているかについて話を伺いました。また、NASAがいかにしてスーパーコンピューティングリソースを革新し、科学的要求に対応しているかについても語っていただきました。これらの研究の元となった膨大なデータはすべて、解析と可視化のために、NASAのチームが衛星や大気圏に散在する気球から収集したものです。何より素晴らしいのは、このチームが収集したデータを、科学界が幅広い研究用途に利用できることです。NASAのポッドキャスト全編はこちらからお聴きいただけます。

2. 全米科学財団のACCESSプログラムによる研究の民主化

多くの人がHPCクラスターは一流の科学研究機関のための限られたツールだと考えていますが、全米科学財団のACCESSプログラムは学生や独立した研究者にも障壁を設けていません。イリノイ大学NCSAのジョン・タウンズ副所長に、ACCESSでスーパーコンピューターと研究プロジェクトをマッチングさせる方法について話を伺いました。また、捜索救助チームにツールを提供し、捜索ミッションの精度を高めて成果を上げる可能性を最大化することなど、このプログラムから得られた新たな知見についても話していただきました。全米科学財団のポッドキャスト全編はこちらからお聴きいただけます。

3. ジョージア工科大学とともに科学の謎を解き明かす

米国有数の研究機関であるジョージア工科大学の地元スーパーコンピューティングチームに、さまざまな研究部門といかに提携し、発見を加速させているのかについて、話を伺いました。計算科学工学部のリッチ・ヴドゥック教授は、従来の科学から社会・公共政策研究まで、ジョージア工科大学のチームが取り組んでいる幅広い科学的問題について説明してくれました。また、研究クエリの複雑さに対応するために、ジョージア工科大学のHPCプラットフォームを進化させる方法についても話していただきました。ジョージア工科大学のポッドキャスト全編はこちらからお聴きいただけます。

4. サービスとしてのHPCを提供するDUG

研究機関との対話は興味深いものでしたが、私たちは基礎となるインフラの進歩についても知りたいと考えました。拡張性の高いHPCサイクルを提供する企業の1つに、科学技術計算コミュニティにサービスとしてのHPCを提供するオーストラリアの有名企業、DUGがあります。執行副社長のロン・ショップ氏に、彼のチームが応用物理学の専門知識と、液体冷却コンピューティングクラスターを特徴とする革新的なインフラを活用してHPCの顧客に高い価値を提供する方法について話を伺いました。DUGのポッドキャスト全編はこちらからお聴きいただけます

5. 標準ハードウェアベースのHPC構成を提供するOCP

AI時代のコンピュート需要に後押しされた、オープンハードウェア設計のイノベーションの最前線にいるのが、オープンコンピュートプロジェクト(OCP)です。OCP財団のチーフイノベーションオフィサーであるクリフ・グロスナー氏に、AIとHPCクラスターの要件の核となる標準ベースのイノベーションを加速させるため、同財団がHPCコミュニティの経営者たちとどのように協力しているかについて話を伺いました。OCPのポッドキャスト全編はこちらからお聴きいただけます。

Solidigmの画期的な122TB D5-P5336ドライブの新たなユースケースを探求

Solidigmが業界初の122TB QLC NANDストレージをリリースしたことを受け、この驚異的な容量を大規模データの課題解決に生かすようなユースケースの進化について、パートナーに話を伺うことにしました。ASUSのストレージテクノロジーディレクターであるジョセフ・ルー氏によれば、同社は122TBのドライブに特化した革新的なAIプラットフォームを実現しています。VAST Dataの製品責任者であるトメル・ハガイ氏は、122TBドライブを利用してVAST Insight Engineにデータを供給するクラスターについて語ってくれました。GIGABYTEの営業担当副社長であるチェン・リー氏は、適応性の高いインフラを常に迅速に提供しなくてはならないのがHPCプロバイダーであり、2020年代後半を見据えた顧客の要件に対応する上で、業界初のこのドライブが役に立つと語ってくれました。 

セントルイスで会いましょう

スーパーコンピューティング(SC)2024は期待を裏切りませんでした。この世界に対する理解を深め、社会における差し迫った課題に対処する能力を備えるにあたって、基礎的なデータがいかに役立つかを教えてくれた会議でした。スーパーコンピューティングコミュニティがスパコンのトップ500ランキングとその先を再構築する革新的なインフラを使って本格的に動き出したおかげで、データからさまざまな情報を得るのに必要なツールを世界中の科学者が利用できます。このエキサイティングな業界のまた別の一面を見せてくれるであろう来年のSC25が待ちきれません。それまでの間、SC24のハイライトをご覧いただき、今日のイノベーションを牽引する研究機関と、それを支えるインフラプロバイダーについての理解を深めていただければと思います。


著者紹介

ソリダイムの製品マーケティング・マネージャーを務めるジェニース・ウノロフスキーは、データセンター・ストレージ・ソリューションの分野で14年以上の経験を持っています。インテル コーポレーションのテクニカル・マーケティング部門でキャリアをスタートし、ソリダイム入社後は多種多様な企業とパートナーとともに、データセンターSSDイノベーションの推進に携わっています。休みの日には、子どもたちと一緒に過ごす時間や、柔術のトレーニング、アウトドアの探索を楽しんでいます。