リード処理中心のワークロードがクラウドとエンタープライズ・ストレージの QLC 採用を促進

リード処理中心のワークロードがクラウドとエンタープライズ・ストレージ の QLC 採用を促進

パフォーマンス概要をダウンロード、またはこのページを読み進めて、変化するデータストレージのワークロードに QLC が適応し、クラウドやエンタープライズ・アプリケーションの TCO にどのような影響を与えているかご確認ください。

QLC 方式の SSD ソリダイム™ D5-P5430 は、現在メインストリームとなっているワークロードに相応しいパフォーマンス、密度、総保有コスト (TCO) を提供します。

変化するストレージ・ワークロード

世界は今、膨大な量のデータを作り出して消費する無限の力を持っているかのようです。このデータの氾濫は、ストレージのニーズを根本的に変え、読み込み重視のワークロードの急増にともない、平均的な SSD の耐久性レベルは着々と低下しています。最近実施された大規模な 2 つの調査によって、この点が明確に示されました。

  • ワークロードの 94% はリード処理中心であり、リード / ライト比の中央値は約78/22。[1]
  • 99% の SSD は耐用年数のうち使用されるのは 15% 未満。[2]

読み込み重視のワークロードはあらゆるところに

メインストリームや読み込み重視のワークロードは、クラウドやエンタープライズストレージに遍在しています。メインストリームのワークロードには、電子メール、ユニファイドコミュニケーションやコラボレーションサーバー、汎用サーバー、オブジェクトベースストレージ、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)などのアプリケーションや用途があります。これらのワークロードは、80/20の読み込み/書き込みの組み合わせを中心に集中する傾向があり、ほとんどの企業で広く採用されています。コンテンツ配信ネットワーク(CDN)、データレイク、データパイプライン、画像データベース、ビデオオンデマンド(VOD)サービスといった幅広い読み込み重視のワークロードでは、90/10以上の読み込み/書き込みの組み合わせを中心に集中しています。

これらのワークロードに対する最適解

読み込み重視の世界では、3レベルセル(TLC)のSSDは、これらのアプリケーションに適していない場合があります。読み込みパフォーマンスは高いものの、これらのドライブは、以下の理由からメインストリームや読み込み重視のワークロードに最適ではない場合があります。

  • ワークロードの大半が少ないライト処理で構成されている。
  • 圧倒的多数の SSD は、ドライブ耐用年数のうち使用されるのは 15% 未満。[2]
  • 選択可能なフォームファクターと最大容量を考えると、TLC SSD はクアッド・レベル・セル (QLC) SSD と同じスペースで 4 分の 1 の容量しかサポートしない。

QLC SSD: リード中心のメインストリームのワークロードに最適

ソリダイムの QLC SSD は、TLC SSD と同等のリード性能と、幅広いワークロードに対応できる強力なライト性能と十分な耐久性を備えています。次の表では、TLC SSD に正規化し、QLC のパフォーマンス、耐久性、ドライブ当たりの最大容量を、さまざまな TLC SSD 製品と比較しています。

ソリダイム™ D5-P5430 SSD と Kioxia、Samsung、Micron との性能比較。

表1. ソリダイム™ D5-P5430 と競合 SSD 製品との比較 [4, 5]

耐久性の懸念事項といえば、セル当たりビット数の変遷です。 ソリダイムの QLC SSD は、大容量でありながら 3,000 PE サイクルで稼働でき、耐用年数にわたる書き込み回数 (書き込みペタバイト容量 [PBW]) は TLC SSD を上回ることもあります。PBW よりも重視すべきは、耐久性の要件が満たされているかです。ほとんどのワークロードでライト処理が占める割合を調べる大規模な調査では、約 200 万台のドライブからなるデータセットでどれだけの TLC SSD を QLC SSD に置き換え可能かも検証されました。この調査の結果、1,000 PE サイクルでは約 95% のドライブが QLC SSD に置き換え可能、3,000 PE サイクル (偶然にもソリダイム™ D5-P5430 QLC ドライブの仕様) では 99% 近くまで高くなることが分かりました。[1] これは、リード中心のメインストリームのワークロードに「最適な」SSD を採用して、さらに価値を引き出す機会が豊富にあることを示しています。 QLC のメリット QLC SSD は幅広いワークロードに適合します。さらに IT 管理者は、オール TLC アレイのオブジェクト・ストレージと比べて、ラックのフットプリントを最大 3 分の 1 に縮小、電力コストを 20% 削減、総ソリューション・コストを 31% 削減することが可能になります。[6] ソリダイム™ D5-P5430 は、これらのワークロードに高密度、総保有コスト (TCO) 削減、サステナビリティー向上の機会を示す製品です。


ソリダイムのテクノロジーを使用するには、対応したハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。絶対的なセキュリティーを提供できる製品またはコンポーネントはありません。実際のコストや結果は異なる場合があります。性能は、使用状況、構成、その他の要因によって異なります。ソリダイムは、人権を尊重し、人権侵害への加担を回避するように尽力しています。ソリダイムの製品およびソフトウェアは、国際的に認められている人権を侵害しない、または侵害の原因とならないとアプリケーションにのみ使用されることを目的としています。ソリダイムは、サードパーティーのデータに対して管理または監査をしていません。正確性を確認する場合は、他の情報源を確認する必要があります。 

Solidigm、ソリダイム、Solidigm ロゴは、SK hynix NAND Product Solutions Corp. (商号: Solidigm) の商標です。その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。 

©2023 Solidigm. 無断での引用、転載を禁じます。

 [1] USENIX. 「A Study of SSD Reliability in Large Scale Enterprise Storage Deployments.」2020年2月. www.usenix.org/conference/fast20/presentation/maneas.

 [2] USENIX. 「Operational Characteristics of SSDs in Enterprise Storage Systems: A Large-Scale Field Study.」 2022年2月 www.usenix.org/system/files/fast22-maneas.pdf.

 [3] 2Uシャーシ当たり最大 48x E3.S 、24x U.2ドライブ。E3.S と U.2 の比較 – 15.36TB の Micron 7450 Pro (U.2): 15.36TB x 24 = 368.64TB、30.72TBのソリダイム™ D5-P5430: 30.72TB x 48 = 1474.56TB の式の結果、2U 当たりの容量はソリダイム™ D5-P5430 の方が 4 倍と算出。

 [4] ソリダイム™ D5-P5336 (100% 16K ランダムライト) とソリダイム™ D5-P5430 (100% 4K ランダムライト) を使用。Samsung、Micron、KIOXIA については、最大容量の市販ドライブから性能と PBW 仕様を取得。出典: Samsung、「Samsung V-NAND SSD PM9A3」、2022年 https://image.semiconductor.samsung.com/resources/data-sheet/Samsung_SSD_PM9A3_Data_Sheet_Rev1.0.pdf。Micron、「Micron 7450 SSD With NVMe」、2022年5月 https://media-www.micron.com/-/media/client/global/documents/products/product-flyer/7450_nvme_ssd_product_brief.pdf。KIOXIA、「CD6-R Series (KCD61LUL/KCD6XLUL/KCD6DLUL/KCD6FLUL) Data Center NVMe Read-intensive SSD」、2022年 https://americas.kioxia.com/content/dam/kioxia/shared/business/ssd/data-center-ssd/asset/productbrief/dSSD-CD6-R-product-brief.pdf.

 [5] ソリダイム、D5-P5430 Product Specification and Current 5-quarter Roadmap. 

[6] 30.72TB のソリダイム™ D5-P5430 (スループット 7,000MB/s、平均動作時電力 25W、アイドル時電力 5W) と、15.36TB (最大容量) の Micron 7450 (スループット 6,800MB/s、平均ライト動作時電力 20W、アイドル時電力 5W、データシートを参照) との、総保有コスト (TCO) の比較。 ラック容量 42U のうちストレージに 34U を使用し、サーバー当たり 24x U.3 TLC ドライブと 36x E3.S QLC ドライブを搭載する 2U サーバーを想定。同等の 1TB 当たりスループット (TLC アレイは 20%、オール QLC ソリューションは 38.9%) となるようにデューティーサイクルを算出。どちらの構成にも、RAID1 ミラーリングと 5 年間の更新サイクルを適用。主な共通の想定コスト: 電力コスト = 0.15 ドル / KWHr、PUE 係数 = 1.60、未使用ラック購入コスト = 1,200 ドル、システムコスト = 1 万ドル、導入期間にわたるラック使用コスト = 17 万 1,200 ドル。ソリダイム社内の TCO 概算ツールを使用し、2023年3月時点のソリダイムによる TCO の見積から算出。