Antillionとソリダイム:最先端でイノベーションを推進する

Mountaineers using Solidigm and Antillion mobile data storage for extreme conditions.
Mountaineers using Solidigm and Antillion mobile data storage for extreme conditions.

エッジコンピューティングが産業に革命をもたらしている現代において、Pace製品群を提供するAntillionは、高性能で超コンパクトなエッジコンピューティングプラットフォームの設計・開発において、リーダーとしての地位を確立しています。セキュリティアプリケーションや捜索救助から、産業用およびモバイルコンピューティング・ソリューションまで、Antillionは、最小かつ最もポータブルなフォームファクターにおける高性能エッジソリューションの設計に注力しています。

エッジコンピューティングとは、一元化されたデータセンターに依存するのではなく、計算とデータストレージを必要な場所の近くに置く分散型コンピューティングのパラダイムです。このアプローチは、レイテンシーを削減し、効率を向上させ、リアルタイムデータ処理を向上させます。これは、自動運転車など、即時的なデータ分析が重要な環境において特に有用です。

Antillion独自のエッジコンピューティング・ソリューション

Antillionは、ポータブルで拡張性の高いエッジコンピューティング・プラットフォームの設計と製造に特化した会社です。AntillionのPaceプラットフォームは、固定されたインフラ内で未加工の計算能力を優先する従来のデータセンター・ソリューションとは異なり、容量、重量、モビリティーが重大な制約となっている環境向けに設計されています。これらのプラットフォームは、バックパックに搭載可能なシステムから、車両、航空機、遠隔地などに設置されるラックまで、幅広い規模に対応しています。

Antillionは、エッジ導入を専門とする他の企業とは一線を画す、顧客第一主義の柔軟なアプローチを採用しています。ユーザーに厳格なコンピューティングインフラストラクチャーの型にはめるワークフローを適応させるのではなく、ユーザーが達成しなければならない最終目標を念頭に置き、その要件にPaceプラットフォームを合わせていきます。各プラットフォームは、独自にカスタマイズされた構成を設定できます。現場でのリアルタイムな状況認識に使用される高性能処理ユニットや、過酷な環境条件に耐えることができるコンピューティングシステムなど、様々なシステムに対して、導入環境間でシームレスな相互運用ができる、特定用途向けソリューションを、Antillionでは提供しています。

ソリダイムの高密度ストレージがAntillionのエッジコンピューティングの再定義に貢献した理由

Antillionの多くの特徴的な製品の中心には、ソリダイムの小型フォームファクターと高密度ストレージ・ソリューションがあります。これにより、Antillionはエッジで何ができるのか再定義し直すことができています。

「ソリダイムのE1.SおよびE1.Lソリッドステートドライブ(SSD)を自社設計に組み込んだことで、大きく成長できました」と、Antillionの創設者兼COOであるアリスター・ブラッドブルック(Alistair Bradbrook)は述べています。「かつては、物理的な制約があったため、コンパクトなコンピューティング・ソリューションを設計するために、ストレージ容量や性能を犠牲にしなければなりませんでした。しかし、ソリダイムの最先端NVMe SSDを使用したことで、Antillionは速度や効率を犠牲にしなくても、ストレージ密度を劇的に向上させられるようになりました。

例えば、E1.Sフォームファクターの導入により、その超小型エッジデバイスに、これまでにない大容量のストレージを搭載することが可能になりました。ソリダイムNVMe SSDは、従来のSATA SSDと比較して大幅に高いデータスループットを実現しており、エネルギー効率が重要なエッジ導入に最適です。1 E1.Lシリーズでは、さらに大容量化を実現し、モバイルおよびエッジコンピューティングの可能性の限界を押し広げています。

実践的なイノベーション

従来は、救急隊員やセキュリティ担当者は、無線通信や手作業による情報処理に頼っていました。しかし、Antillionのイノベーションは、こうしたエッセンシャルワーカーのコミュニケーション力を新たなレベルへと進化させています。Antillionでは、同社最小のPaceプラットフォームであるA2を使用して、高速コンピューティングとデータストレージ機能を統合したウェアラブル戦術コンピューターを開発しました。このコンピューターを使うことで、現場でのリアルタイム処理、状況認識、データ分析が可能になります。

ソリダイムのSSDデータストレージを搭載したAntillion A2 Paceプラットフォーム。 図1. Antillion A2 Paceプラットフォーム

ソリダイムのE1.S NVMe SSDを搭載することで、Pace A2は、軽量かつコンパクトさを維持したまま、膨大な量のミッションクリティカルなデータを保存し処理することができます。例えば、救急隊員は、ウェアラブルなA2から、高解像度の映像、センサー入力、AIドリブンな分析情報に直接アクセスできるため、プレッシャーの高い状況でもより的確な判断を下すことができます。SSDはモジュール式であるため、ユーザーはシステム全体を再設計することなく、必要に応じてストレージ容量を簡単にアップグレードできるのです。

ベンチマークによるパフォーマンスの向上

Antillionでは、同社のシステム構築アプライアンスであるLOENに、ソリダイムSSDを統合したことによるパフォーマンスへの影響を評価するため、ベンチマークを実施しました。従来のSATAベースのストレージと比較して、Solidigm™ D7-P5520 NVMeソリューションに移行することで、システム構築時間を最大30%短縮し、導入速度と運用効率を大幅に向上させることができました。2  緊急対応が迫られる分野では、システムの迅速なセットアップが成否を左右するため、この構築時間の削減は特に重要になります。

このテストの結果、ストレージの改善と比較して、ネットワークのアップグレードは全体的なパフォーマンスに比較的軽微な影響しか与えないことが明らかになりました。これは、エッジでのシステム導入とデータ処理を加速する上で、高速・高密度SSDが重要であることの現れです。

信頼性の重視

品質と効率を重視しているAntillionでは、ソリダイムのSSDがエッジ環境において卓越した信頼性を発揮し、数百台導入したソリダイムドライブで故障が1件も発生しなかったことがわかりました。 

ソリダイムのコミットメントとコラボレーションは、Antillionが高い品質とパフォーマンス基準を維持しながら、エッジコンピューティングの限界を押し広げる上で、大きな役割を果たしています。

エッジコンピューティングとストレージの未来

Antillionとソリダイムの提携は、ストレージ・ソリューションの採用にとどまらず、共同イノベーションへの取り組みにまで及んでいます。エッジコンピューティングが進化し続ける中、ローカルでのデータ処理、セキュリティの強化、リアルタイム分析に対する需要の高まりは、よりコンパクトで高性能なコンピューティング・ソリューションの必要性をさらに高めています。ストレージの密度と性能が向上し続ける中、将来的なアプリケーションとしては、AIを活用した現場分析やエッジベースのサイバーセキュリティなどが考えられます。

Antillionとソリダイムは、最先端のストレージと専用のコンピューティング・プラットフォームを組み合わせることで、救急サービスから産業の自動化に至るまで、さまざまな業界の新たな可能性を引き出しています。適切な技術提携によって有意義な発展がもたらされることを、このソリューションが体現していると言えるでしょう。


 


著者紹介

Ace Stryker は、Solidigmの市場開発ディレクターであり、同社のデータセンター・ストレージ・ソリューション・ポートフォリオの新興アプリケーションに注力しています。

注意と免責事項

  1. Samsung SM883ソリダイム™ SSD D5-P5336 の帯域幅の比較。 
  2. 出典:Antillion

本資料に記載した内容はすべて、明示されているか否かにかかわらず、いかなる保証も行うものではありません。ここにいう保証には、商品適格性、特定目的への適合性、および非侵害性の黙示の保証、ならびに履行の過程、取引の過程、または取引での使用から生じるあらゆる保証を含みますが、これらに限定されるわけではありません。

本書で説明されている製品には、「エラッタ」と呼ばれる設計上の不具合が含まれている可能性があり、公表されている仕様とは異なる動作をする場合があります。現在確認済みのエラッタについては、Solidigmまでお問い合わせください。

Solidigmは、サードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。ほかの情報も参考にしてデータの正確さを評価してください。

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