Solidigmは、ソリッドステートドライブ(SSD)技術と人工知能(AI)インフラのイノベーションにおける市場リーダーです。また、業界のパイオニアとして、Solidigm™ D7-PS1010 SSDファミリーを提供しています。これはAIファクトリーとエンタープライズデータセンター環境向けに世界初の液体冷却SSDを搭載した製品群です。
Solidigmは、AIインフラ向けの実績あるSSDベンダーとしてNVIDIAと協力し、ホットスワップ機能や片面冷却の制約など、eSSDの液冷に関する課題に取り組んできました。GTC 2025でSolidigmが紹介したのは、Solidigm™ D7-PS1010 E1.S 9.5mmフォームファクターを採用した初のコールドプレート冷却eSSDです。これは、最新のダイレクト・トゥ・チップ(DTC)コールドプレート冷却技術を用いた、完全液冷式のラックスケールアーキテクチャー向けの製品です。ハイブリッド空冷・液冷式を採用したNVIDIA NVL72プラットフォーム向けにSolidigmが提供するのは、E1.S 15mmフォームファクターで従来型の空冷方式を採用したD7-PS1010 SSDです。
Solidigmのテクノロジーと製品は、AIファクトリーやエンタープライズデータセンターが、現行のSSDプラットフォームで最高レベルの密度と効率を達成できるようにし、総所有コスト(TCO)の削減と投資収益率(ROI)の向上に貢献します。
共有スペースから専用ビル、さらにはキャンパスまで、さまざまなデータセンターがあります。最大規模のデータセンターは、ハイパースケールで多様なワークロードをサポートするエンタープライズインフラを収容しています。
ワークロードは、従来のデータベースから最新のハイブリッドクラウド、新たな生成AIやエージェント型AIまで、データセンターによってさまざまです。それでも、AI需要の高まりに対応するため、AIインフラの厳しい環境要件(電力、温度など)を満たす、AI専用に設計されたデータセンターであるAIファクトリーの開発が進んでいます。
データセンター業界は変革期を迎えており、データセンターのアーキテクトや設計者は、AIとエンタープライズラックで著しく異なるデータセンターの要件に対応するというジレンマに直面しています。
ダイレクト・トゥ・チップ(DTC)液冷への移行は、データセンターの将来性を確保し、拡張性をもたらします。それによって、現在も将来も、エンタープライズ専用、エンタープライズとAIのハイブリッド型、AI専用ラック設計に対応できるようになります。
ファンベースの空冷はこれまで同様、データセンターの選択肢であり続けますが、通常、20キロワット(kW)未満のラック密度しかサポートできないのが空冷の主な課題です。空冷式はラック設置型コンピューティング、ストレージ、ネットワークシステムなど、データセンターに不可欠な機器によって支えられており、従来の比較的低電力なエンタープライズ向けラック設計には有効でした。しかし、残念ながら、電力消費量の多い今日のAIラックには対応が困難です。
DTC液冷を使うと、データセンターの電力使用効率(PUE)を大幅に改善できます。PUE 1.0とは、冷却その他の運用にオーバーヘッドが一切発生せず、すべての電力がIT機器のみに使われる、完璧なエネルギー効率を意味します。理論上の最適値であるPUE 1.1を達成するには、エネルギー使用量を最小限に抑える先進的な冷却技術が必要です。液冷は、この効率を一貫して達成するために不可欠です。冷却に要する電力消費を大幅に削減しつつ、現代のデータセンターが求める拡張性と密度に対応できるからです。DTCはまた、従来の冷却方法では達成不可能なインフラとラック密度にデータセンターが対応することを可能にします。
各ラックの一般的な密度が20kW未満のエンタープライズ向けラック設計は、当面、空冷を継続することが可能です。ただし、現在、一部のAIラック設計では、100kWを超える密度を管理するために液冷が必要です。また、ロードマップによれば、直接液冷でのみ対応可能な、1ラック当たりの電力密度が500kWを超える設計が、10年たたずに登場する見込みです。
従来の空冷式では、冷気の通り道から熱気の通り道へと空気を移動させ、その過程でIT機器から熱を吸収することで、最大20kWまでの一般的なエンタープライズラック密度に対応しています。ラックマウント機器(サーバー、GPU、CPUなど)の空気移動の大部分は内蔵ファンによるものですが、空気の流れを強化するため、コストをかけて追加のファンを装備する場合もあります。
空冷の進化形として、空冷・液冷のハイブリッド方式があります。この方式では、ラック単体にリアドア熱交換器(RDHx)を追加します。複数のラックの場合は、ラック冷却システム(RCS)を追加することで、高密度のラックに対応できます。どちらの場合も、コストとラックスペースが増大します。RDHxシステムやRCSシステムの購入は設備投資の増加につながり、それらを継続的に稼働させることで運用コストも増加します。ファンレス液冷のみ(つまりDTC)はハイブリッド冷却ではありません。
ファンレス液冷のみの方式として知られる、最新のダイレクト・トゥ・チップ液冷は、100kWを超えるAIラック密度に対応するために、配管を用いて特殊な冷却剤を循環させる仕組みです。DTCの冷却剤は通常、水と添加剤の混合物であり、非常に効果的です。また、DTCの配管は必要な場所に冷却剤を正確に循環させます。このレベルで熱制御を実現すると、データセンターの効率向上とラックスペース使用率の最適化によって競争上の優位性を得られます。
2段階の閉ループがデータセンターラックから熱を取り除きます。第1段階では、高温のラックコンポーネント(例:チップ)とシステム(例:サーバー)から発生した熱を冷却剤分配ユニット(CDU)に移し、第2段階で、CDUからデータセンター施設の熱交換器(例:ヒートポンプ)に移します。
エネルギー効率の向上:液冷によりPUEの改善が可能となり、PUE 1.1という低い値の達成に貢献します。エネルギー集約型の空冷システム(例:CRACユニットやチラー)の必要性を低減し、エネルギー消費を抑えつつ高い熱負荷に対応できます。
ラックの高密度化:これまでの慣行では、消費電力や冷却上の制限に対応するためにラックスペースを十分に活用できませんでしたが、それがなくなります。高密度化すると、同等のコンピューティング容量を実現するために必要なラック数が減るため、所要床面積の削減につながります。
競争優位性の獲得:液冷を用いると、AIデータセンターは50kWから100kW、またはそれ以上の高ラック密度に対応できるようになり、新たなAIと機械学習のワークロードに求められる最高性能GPUの導入が可能となります。
将来を見据えたデータセンター:あらゆる要件の組み合わせに対応できる拡張性を備えた柔軟なデータセンターが誕生します。
Solidigm D7-PS1010 SSD製品ファミリーは、実環境のAIおよびエンタープライズデータセンターワークロードに業界トップクラスのパフォーマンスを提供します。現在のサーバーと次世代サーバー向けに設計されたSSDが、最大97%というIOPS一貫性をドライブ寿命を通じて提供し、ROIの最大化に貢献します。液冷式または空冷式の9.5mmモデルと空冷式の15mmモデルがあります。
D7-PS1010 SSDには、液冷バージョンと空冷バージョンがあるため、データセンターはその冷却インフラにかかわらず、D7-PS1010 SSDを標準として使用できます。E1.S 9.5mmフォームファクターのD7-PS1010 SSDは、NVIDIA GB300 NVL72完全ファンレスシステムで初めて承認された製品です。E1.S 15mmフォームファクターのモデルは、ハイブリッド(空冷・液冷)冷却方式を採用したNVIDIA NVL72システムでの使用が承認されています。
E1.S 9.5mmモデルは直接液冷に対応しているため、従来の空冷式を用いる競合他社のE1.S 15mmモデルと比較して、冷却に必要なエネルギーを最大84%削減できます。また、Solidigmの空冷式E1.S 15mmモデルは、競合製品と比較して冷却に必要なエネルギーを最大34%削減します。
| モデル | D7-PS1010 |
| フォームファクター | 液冷または空冷E1.S 9.5mm、 空冷E1.S 15mm、E3.S、またはU2 |
| 容量 | 3.84TBまたは7.68TB |
| インターフェース | PCIe 5.0 x4、NVMe |
統合型SSDプラットフォーム:AIおよびエンタープライズデータセンター向けに、さまざまなフォームファクターと容量を備えた1つのSSDファミリー。
進化した冷却オプション:最新の液冷と従来の空冷に対応する各専用モデル。
統合型(シングル)コールドプレート:業界初となる、SSDの両面を1つのプレートで冷却する液冷対応SSD。
比類のないパフォーマンス効率:競合他社のSSDと比較して最大70%優れたIOPS/ワットで、パフォーマンスを損なうことなく効率性を向上させます。
安定したSSD性能:PCI Express 5.0 x4 NVMeインターフェースを採用し、SSDの寿命を通じて最大97%のIOPS一貫性を実現。
内蔵診断・監視機能:エラー報告の簡素化、リモートトラブルシューティングの促進、予知保全の有効化。
ホットスワップ対応:AIサーバーやエンタープライズサーバーを稼働したままSSDを交換することで、データセンターの保守性が向上。
SolidigmはSSDインフラの信頼できる選択肢であり、AIワークロードやエンタープライズワークロードを処理する次世代データセンターのストレージ基盤になります。
SolidigmはD7-PS1010 SSDファミリーの導入により、業界の新たなマイルストーンを達成し、再び先駆的な役割を果たします。このSSDファミリーは、ラック設計が液冷、空冷、または両方のハイブリッド式のいずれであっても、データセンターに比類のない革新性、パフォーマンス、効率性、信頼性をもたらします。
E1.SフォームファクターのSolidigm D7-PS1010モデルは、直接液冷式のNVIDIA GB300 NVL72プラットフォーム用として世界で初めて承認されたSSDであり、AIおよびエンタープライズデータセンター向けストレージソリューションにおけるSolidigmのコミットメント、実績、リーダーシップを証明しています。
Dave Sierra(デイブ・シエラ)は、Solidigmの製品マーケティングアナリストとして、今日のデータセンターが直面するインフラ効率化という課題に取り組んでいます。