データストレージとAI: 金融サービス業界がビッグデータと自動化に投資

金融サービス業界の概要

2017年、フォーブス誌は「通常、ビジネス界で最も有能でテクノロジーを多用している銀行が、AIに対してはラダイト(技術革新反対者)のように振る舞うのはなぜなのか?」という疑問を投げかけました。[1]

この疑問が投げかけられて以来、人工知能においても、金融サービス業界におけるAIの受け入れにおいても、多くの変化がありました。金融機関は、AIがデジタルトランスフォーメーションを推進し、顧客体験を向上させる重要な技術であることを認識し、AIに急速かつ猛烈な勢いで移行しています。AIにより、差別化された価値を創造し、金融犯罪に対抗し、効率を高め、コストを削減し、新たなレベルのセキュリティを提供することができます。

金融サービスにおけるデータ革命

AIが金融業界全体の注目を集め続ける中、新たな使用事例が開発され、金融機関による導入が進んでいます。ビジネス・リーダーは、ビジネス・インテリジェンス、高度な分析、人工知能は重要な機能を提供するものの、質の高い結果を生み出すには大量の高品質データが必要になることを認識しています。言い換えれば、企業規模のアナリティクスやAIサービスには、データの民主化だけでなく、スケーラブルで信頼性が高く、高パフォーマンスなデータパイプラインが必要だということです。

取引レベルでよく見られる使用事例の1つに、顧客にセルフヘルプ・ソリューションを提供し、コールセンターの作業負荷を軽減するスマートボットがあります。Towards Data Scienceは、ローン処理が劇的に改善され、「より少ないコストで、より多様な要因を考慮しながら、潜在的な借り手をより迅速かつ正確に評価することで、データに裏打ちされた、より良い情報に基づいた意思決定につながる。AIが提供する信用度採点は、従来の信用度採点システムで使用されているものに比べ、より複雑で洗練されたルールに基づいているため、貸し手は、債務不履行リスクの高い申請者と、信用力はあるもののクレジットヒストリーが豊富でない申請者を区別することができる」と指摘しています。[2]

金融サービスにおけるビッグデータ使用事例

融資や顧客体験の向上だけでなく、ビッグデータとAIはあらゆる形で金融サービスを変革しつつあり、次の5つの主要なユースケースはその始まりに過ぎません。[3]

  • コンプライアンス: 金融監査人向けの自動化されたインテリジェント・レポートを作成し、マネーロンダリング防止、顧客確認 (Know Your Customer)、ストレステストを可能にします。
  • リスク管理: 取引およびエンタープライズ・リスク管理のため、信用リスク評価、損失シナリオ、金融ポートフォリオの標準偏差を最適化します。
  • 資産管理: 仮想アシスタントによる、個人に合わせたリアルタイム管理アドバイザーを可能にします。
  • セキュリティー: サイバーセキュリティ (異常に対する機械学習に基づく) と、不正、マルウェア、データ漏洩およびインサイダー取引の検知を向上します。

AIパイプラインのナビゲート

このような利点を生かすためには、金融機関は自社のデータをよく見直す必要があります。Deloitteは断片的なアプローチではうまくいかないとし、「サイロ化されたアプローチで、新しいAIイニシアチブが出現するたびにあらためて考察するのではなく、金融サービスの経営陣は組織全体に体系的にAIツールを展開し、あらゆるビジネスプロセスと機能を網羅することを検討すべきである」と指摘しています。 [4] 

これは、組織が複数のデータ・パイプラインを拡張し統合する必要があることを意味しますが、これは容易なことではありません。1つの組織で数百におよぶデータ・パイプラインが必要な場合もあるからです。これはコスト高になる可能性がありますが、適切なデータ・アーキテクチャ構造と、高パフォーマンスなストレージ、ネットワーキング、コンピューティング・テクノロジーがあれば、複数のパイプラインを調和させることができます。その結果、あらゆる形態のAIプロジェクトに高度な分析とディープラーニングのためのデータを提供することができる、高パフォーマンスかつスケーラブルなインフラが実現します。

これらの各パイプラインでは、使用事例の種類によって、データの量、速度、種類が劇的に変化します。これらのデータをナビゲートするためには、エンド・ツー・エンドのデータ・パイプラインとAIプロジェクトのフェーズを理解し、解決することができるパートナーとソリューションが必要です。

ソリダイムと金融サービス

データ・アーキテクチャでは、データの発見から保存、処理、配信までのデータフローが定義されます。これは主にアプリケーション・アーキテクチャによって決定されますが、メモリ上、あるいはソリッド・ステート・ドライブ(SSD)のような永続ストレージ上などの基礎となるストレージ・アーキテクチャにも依存します。様々な種類のワークロードを必要とする複数のAIプロジェクトがある場合、ソリダイムでは、その様々なニーズに対応するために必要なパフォーマンスと容量を提供することで金融サービスをサポートします。

シングルレベル・セル (SLC) NVM Express (NVMe) ドライブであるソリダイムD7-P5810は、高頻度の取引やキャッシング、データベースなどのライト負荷の高いワークロードに最適な性能と容量の組み合わせを提供し、ソリダイムCSALテクノロジーと連携させることで、データ・パイプラインの必要なフェーズを通して、大規模なデータセットへのアクセス、移動、保存に必要となる高性能かつ大容量のストレージを提供します。

ソリダイムのテクノロジーは、パイプラインの様々なフェーズを通じて、様々なワークロード、アクセス・パターン、ブロックサイズにわたってストレージ・リソースを最適化します。D7-P5810のようなPCIeベースのSSDは、ストレージのスペースとコストを削減しながら、保存されたデータの価値を解き放つことができます。

ソリダイムD7-P5810製品概要で詳細を確認し、金融サービス業界でAIを活用するために、大規模データセットを活用する方法について詳しくご覧ください。



[1] https://www.forbes.com/sites/adelynzhou/2017/06/30/financial-services-industry-banks-artificial-intelligence-slow-adoption/#363168f24f8b

[2] https://towardsdatascience.com/the-growing-impact-of-ai-in-financial-services-six-examples-da386c0301b2

[3] https://www.intel.com.tw/content/dam/www/public/us/en/documents/research/the-ai-revolution-finextra-v2-paper.pdf

[4] https://www2.deloitte.com/us/en/insights/industry/financial-services/artificial-intelligence-ai-financial-services-frontrunners.html

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