世界バックアップ・デーは、データを信頼できる方法で保護することの重要性を検討する絶好の機会です。 調査では、ソリッド・ステート・ドライブ (SSD) が最も信頼性の高い選択肢であることが示されています。 データセンターやクラウド・バックアップ・サーバーに格納されるデータ量が急激に増大し、データを保存する最も安全な方法として、SSD がハードディスク・ドライブ (HDD) に置き換わるようになりました。
HDD はその大容量と GB 当たりのコストから多くのケースで主力の選択肢となっている一方で、この 5 年間では SSD そのものの信頼性の高さが分かりはじめています。企業と個人向けのクラウド・ストレージ・プロバイダーである Backblaze が実施した調査によると、バックアップ・サーバーの一時的なファイルとログファイルの保存に最適な方法は SSD ブートドライブであることが示されています。[1] データを安全かつ確実に格納するために、いよいよ HDD を置き換える時が来ました。
SSD と HDD の主な違いは、データを格納して伝送する方法にあります。HDDには、データの読み取りと書き込みを行う回転プラッター(ディスク)が存在します。 GB当たりの初期コストは、SSDよりもHDDの方が低く、金融機関や行政機関のデータ格納設備、ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) のデータセンター、大量のデータを処理する AI 企業といった大規模組織にとっての手ごろな選択肢となっています。
一方で SSD は、瞬時にアクセス可能なフラッシュ・メモリー・チップにデータを格納します。SSD には可動部品がないため、振動も回転することもありません。 SSD の方が軽量で消費電力が少なく、HDD よりもはるかに早いスピードでデータの読み取りと書き込みを実行することができます。また長期間にわたる信頼性の高さも特長の 1 つです。
SSD にはその初期コストの高さにもかかわらず、長期的に見れば回転式の HDD と比べて優位性があるという定説がありましたが、ストレージサーバーの起動、SMART 統計の一時的なストレージとしての機能、ログファイルの記録、その他の読み取り / 書き込み機能を実行する数千ドライブに基づく、5 年間にわたって収集された確実なデータから、長期耐用性と故障率の低さににおいて HDD を大きく上回る優位性が確認されています。
Backblaze による調査で用いられた SSD は、結果の偏りを排除するため、同等年数を使用した HDD の統計データのみと比較されました。この比較手法にもかかわらず、HDD よりも信頼性が高く、故障率が低いことが示されています。
対象のデータは、Backblaze がバックアップ・サービス用のブートドライブを HDD から SSD に切り替え始めた頃、5 年間にわたって記録されたものです。
では HDD を SSD に置き換えることは、コスト面で理にかなっているのでしょうか?総保有コスト (TCO) に目を向けると、長期的には結局、SSD の方が経済的であることが分かります。 ストレージに関しては、単に初期の調達コストだけを指標として捉えるのではなく、長期的な視点で考える時が来ました。サーバー・プロバイダーにとって検討すべき有用な測定値は、総保有コスト (TCO) です。
TCO は調達コストの領域だけで測れるものではありません。そこで、そのほかの要素にも目を向けてみましょう。
SSD は小さい実装面積に多くのデータを格納できるため、HDD よりも少ないドライブ数と時間で同等の結果を引き出すことが可能です。通常は HDD よりも初期の調達コストが高くはなりますが、高速の読み取り / 書き込みスピードを考えると、同じ作業を行うのに必要となる SSD 数は少なくて済みます。SSD と HDD の容量差を計算に入れると、最大 30TB の選択肢がある SSD は、同じ量のデータを小さいスペースに格納できるため、「規模の経済」の効果が高まります。
ソリッドステート・ドライブには HDD の回転式メディア、アクチュエーター、スピンドルモーターのような可動部品がないため、読み取りと書き込みにかかる電力が少なくて済みます。 さらに魅力的なのは、冷却コストを削減できる点です。SSD は回転式の HDD よりも動作時の温度が低いため、サーバー設備の冷却コストを最大 80% 削減できます。[2]
SSD は HDD よりも交換頻度が少ないため、耐用年数にわたる価値をより長い目で見ることが可能です。[3] 上記の調査で説明したデータが証明しているとおり、SSD は回転式の HDD と比べて信頼性が高いことが分かります。 また、ほとんどの SSD には電源損失保護 (PLI) 機能が備わっており、PLI 機能のある SSD には電源断時のバックアップとして動作する蓄電コンデンサーが内蔵されています。SSD には可動部品がないため、HDD に生じるような消耗や破損の影響をほとんど受けません。PLI の詳細については、インテルが提供するこちらのテクノロジー概要をご覧ください。
人件費は高く、故障したドライブを交換する技術者のコストは、時間が長引くほど増大します。これは HDD が SSD よりも 3 倍高い確率で故障する 5 年目以降に特に痛手です。故障率に関するデータについては、今後数年かけてさらにインサイトを収集していく予定ですが、データストレージ管理者にとって極めて重要な問題であることに変わりはありません。
これは定量化が難しい指標ですが、データ・ストレージ・プロバイダーの評判を評価する際に、あらゆる規模の企業にとって極めて重要です。顧客は自分たちのデータが安全に保護されていると確信を得たいと思っています。故障率が低い SSD は、顧客満足度を向上させ、ストレージサーバーのサービスレベルの保証水準を満たすことができます。[2]
絶え間なく進化する最近のテクノロジー環境では、ビジネスの将来を見据えた上で顧客データを保護することが極めて重要です。クラウドにバックアップを保存しているクライアントは、いつでもどこからでもファイルにアクセスできると信頼しています。 また、ハイブリッドな働き方やリモートワークを選択する今の仕事環境に欠かせない、リモート・コラボレーションを可能にしているのもクラウドストレージです。ダウンタイムを最小限に抑えながらコスト削減を図ることが特に重視されるため、HDD を信頼性の高い SSD に置き換えることは、どのクラウド・サービス・プロバイダーにとっても理にかなっています。 大規模企業が社内データの一部をオンプレミス環境のサーバーに保管しているとしても、クラウドストレージのアクセスしやすさとコラボレーション性を多くの企業が一層活用していくようになると見込まれます。実際、企業データの 60% はクラウドに保存されています。 (4)
多くの企業がオール HDD アレイから離れ、SSD を含むアレイ構成へと移行するにつれて、その数に意味があると理解しはじめました。故障した HDD の交換が必要になった段階でアレイ構成に SSD を追加することで、データストレージへの投資から継続的な利益を得ることができます。消費電力と冷却にかかるコストの削減だけでなく、顧客満足度と顧客維持率も高めることが可能です。
ソリダイムのデータセンター SSD 製品マーケティング・ディレクターを務める Tahmid Rahman は、次のように述べています。「ソリダイムの SSD 製品は、クラウドやエンタープライズ環境への導入に影響を及ぼす、パフォーマンスと信頼性を提供し続けています。高性能 PCIe SSD から価格重視の SSD まで幅広い製品レーン全体で、SSD 設計の中核にあるのはデータの整合性です。データ・バックアップがインストール・ベースに不可欠な要件である場合、ソリダイムのデータセンター向け SSD に置き換えることで、ストレージに高い信頼性をもたらし、総保有コストを低減します」
コラボレーションが中心のコネクテッドな環境では、企業も個人ユーザーも同様に、貴重で代わりのきかない情報を数多くのデバイスを横断して保有しています。クラウド・データ・ストレージ・プロバイダーが増え、データ・バックアップのニーズを満たし、日常的に使用するデータへのリモートアクセスを提供するようになるとともに、SSD は将来を見据えて価値あるデータを保護する最適な手段であると認識されるようになりました。ソリダイムについて、またエンタープライズ環境とクラウド向けのソリダイムの SSD ソリューションがどのように TCO を削減し、収益拡大につなげていくのか、その方法を詳しく説明しています。