大容量の ソリダイム™ D5 シリーズ SSD で、クラウド型 DVR インフラストラクチャーをモダナイズ

クラウド型デジタル・ビデオ・レコーダー (cDVR) の市場は急速に拡大しています。 この成長を加速しているのは、ケーブルテレビや通信サービス・プロバイダーにもっと豊富なコンテンツ配信や利便性を求める消費者からの高い需要です。 チャンネルやストリーミング・サービスは数百にも及び、視聴コンテンツは圧倒されるほどの選択肢に溢れる中、自宅でも外出先でも好きなデバイスでストリーミング・サービスを視聴するため、料金を払って cDVR サービスを利用する加入者はますます増えています。

cDVR の利用が普及し、消費者はほぼ無制限の容量を求めるようになりました。 ほかのテクノロジーと比べて、ソリダイムの D5シリーズ SSD は cDVR の利用の伸びと拡張性の要件どちらにも対応できる最適なソリューションです。

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クラウド型デジタル・ビデオ・レコーダー (cDVR) のインフラストラクチャーをモダナイズして、cDVR の総保有コスト (TCO) を削減しましょう。ここでは、目まぐるしく変わるユーザーのニーズに合わせて効率的に拡張できるストレージ・インフラストラクチャーの導入方法について、詳しく説明します。 ソリューション概要をダウンロードするか、または以下より本文を読み進めてください。

クラウド型デジタル・ビデオ・レコーダー (cDVR) アプリケーション向けデータセンター・ストレージ

cDVR が魅力的なサービスとなっている理由は、従来の物理的な DVR とは異なり、テレビ番組から映画、生放送の番組、スポーツイベントまで、制限なく何でも保存できる点にあります。 

これまで利用されてきたセットトップ DVR ボックスは容量に制限があり、新しく録画するには古い番組を削除して空き容量を確保しなければならないことも頻繁にありました。サービス・プロバイダーにとっては、セットトップ DVR デバイスの保守と更新にも多大なコストがかかり、北米地域では加入者 1 世帯当たり平均 150 ドルと言われています。[1] こういったデバイスは、収益性の高い広告モデルからアクセスできないクローズドシステムでもあります。

ストリーミング・サービス・プロバイダーのビジネスにとっても理にかなう cDVR

こうした理由から、常に革新的な新機能を追加して既存ユーザーをつなぎとめ、新たなユーザーを引き込まなければならないサービス・プロバイダーにとっても、cDVR は理にかなったビジネスとなっています。例えば最近登場しているサービスとして、次のような機能が挙げられます。 

  • キャッチアップ配信 (放映後のテレビ番組をネット上で配信)
  • タイムシフト再生 (放映中のテレビ番組を最初から再生)
  • ライブ配信中の一時停止 (ライブ配信の一時停止と視聴再開)

cDVR プロバイダーの課題

cDVR によって新たな収益機会が生まれ、セットトップ DVR での限界を打破できる一方で、サービス・プロバイダーに新たな課題を提示するのも事実です。cDVR の利用が拡大することで、エッジサーバーは大容量で広帯域幅のストレージ・ワークロードの処理に伴う、スペース、電力、冷却といった要件に対応しなければなりません。エッジで大量のデータを効率的に保存し、消費者のニーズに応じてサービスレベルでアクセスできるようにする必要があります。

cDVR の成長に確実かつ手ごろなコストで対応できる SSD

これまでの cDVR ストレージ・ソリューションは、視聴用途 (コンテンツの録画、再生) とアーカイブ用途 (一定期間アクセスされていないコンテンツの保存) に専用ドライブを用いるオール HDD アレイで構成することが大半でした。 

こうしたストレージ・ソリューションでは、高まり続ける cDVR 需要に応じプレミアムサービスやストレージ容量を提供できる、将来的な拡張性に限界があると言わざるを得ません。また HDD の場合エッジでの実装面積が大きくなり、スペース、電力、冷却、交換のコストが増大するという、運用コストの効率を下げる理由となります。このすべてが総保有コスト (TCO) を増大させる要因です。

cDVR ストレージの要件を満たす現実的な選択肢は、効率と拡張性の高いソリダイムの D5シリーズ SSD で、低効率の HDD アレイを置き換えることです。

的確な選択: 現在だけでなく将来的なニーズにも対応できる SSD

ますます高まるストレージ需要に応えるには、cDVR プロバイダーは常に HDD アレイをサイトに追加しつづけるか、ほとんどの場合と同様に、オール NAND アレイに移行するしかありません。この移行には、トリプルレベル・セル (TLC) SSD を導入するか、ソリダイム™ D5 シリーズのようなクアッドレベル・セル (QLC) SSD を導入するか、いずれかを選択できます。このセクションでは、以下の点を具体的に比較しながら、2 つのシナリオを検討します。

  • オール SATA TLC からオール NVMe QLC ストレージ・アーキテクチャーへの移行
  • オール NVMe TLC から主要な cDVR ソリューション・プロバイダーとのパートナーシップを通じたオール NVMe QLC のストレージ・アーキテクチャーへの移行 (ソリダイムがモデル化したプロトタイプ・cDVR サイト上での検証)

このサイトは 20 万の加入者に、ピーク時の同時録画 100%、ピーク時の同時再生 30%、録画速度 16Mbps、再生速度 5.5Mbps のサービスを提供します。 

このプロトタイプ・サイトでの要件

  • 加入者は数千のチャンネルにアクセス可能
  • ストレージの 20% はアーカイブ用途
  • 再生 / 録画のコンテンツ視聴用途に必要なストレージ容量は 1 日に 2 時間分
  • コンテンツは 4 日間保持されてからアーカイブストレージへ処理

このすべてを踏まえると、cDVR サイトの総合的な要件は容量 43.3TB、スループット 3.44Tbps となります。容量と I/O のニーズ両方を満たす必要があるため、ストレージ要件は容量または I/O のどちらか、必要なドライブ数が多い方によって決まります。

オール SATA TLC ストレージとオール NVMe QLC NAND SSD ストレージを比較して判断

ソリダイムはこのシナリオで、SATA ベースの 7.68GB D3-S4511 SSD (旧インテル製品) を実装するサーバーと、QLC NAND で構築する NVMe ベースの 30.72TB D5-P5316 ドライブ (旧インテル製品) を実装するサーバーとを比較しました。 

事前に算出したサーバー費は 1 万ドル、サーバー材料費は 50 ドル、消費電力 1,100W、故障率 0.40% と、どちらのシステムも同等と想定しています。[3]

NVMe SSD よりも低パフォーマンスであることから、SATA SSD のドライブ数の決定要因はスループットです。 

これに対して QLC NAND SSD の場合、SATA SSD よりもパフォーマンスがはるかに高いことから、視聴用途とアーカイブ用途の容量要件の組み合わせがドライブ数の決定要因となります。表 1 に比較結果をまとめました。 

設備投資 (capex) と運用コスト (opex) で見た NVMe SSD の圧倒的な優位性により、合計で 36% の総保有コスト (TCO) 削減効果がもたらされます。[2]

総運用コストで見た SATA SSD と QLC SSD の比較

表1. SATA TLC NAND SSD と NVMe QLC NAND SSD の総保有コスト (TCO) 比較。 [2]

QLC NAND SSD による効率的なスケーリング

ここで強調したいメリットは TCO 削減効果だけではありません。QLC NAND SSD ソリューションは、効率的な拡張性も提供します。SATA SSD ソリューションでは合計 19 ラックを使用しますが、QLC NAND SSD ではわずか 5 ラックです。つまり床面積を大幅に縮小できるため、ユーザー数が増えたりコンテンツを追加したとしても効率的な容量拡張が可能になります。

ドライブ数がはるかに少ない場合でも、QLC SSD の I/O 容量は合計 9.73Tbps であるため、効率的に I/O を拡張してユーザー数の増加や機能の追加にも対応できます。[2]

オール NVMe TLC ストレージとオール NVMe QLC NAND SSD ストレージの比較

このシナリオでは、15.36TB の Micron 9300 ドライブを使用するオール NVMe TLC NAND SSD のアプローチと、30.72TB のソリダイム™ D5-P5316 ドライブを使用するオール NVMe QLC NAND SSD のアプローチを比較しました。

事前に算出したサーバー費は 1 万ドル、サーバー材料費は 50 ドル、消費電力 1,100W、故障率 0.40% と、どちらのシステムも同等と想定しています。[5]

大容量の D5 シリーズ NAND SSD によって可能になるのが、運用コスト (opex) の大幅な削減です。QLC NAND SSD で目標の総容量を実現するにはわずか 5 ラックで済み、TLC NAND SSD の 9 ラックと比べて消費電力、冷却、ラック、ドライブの交換にかかるコストを削減できます。 このすべてが、表 2 に示すとおり、TCO の 32% 削減につながります。[5]

総運用コストにおけるソリダイムの QLC SSD と Micron の TLC SSD との比較

表2. 総保有コスト (TCO) で見た NVMe TLC NAND と QLC NAND SSD の比較。[5]

QLC NANDがTCO 削減効果以外でも優れている理由

TLC NAND は QLC 3D NAND のドライブ容量には及ばず、高まるストレージ要件に対応できる拡張性が備わっているとは言えません。ソリダイムの 3D NAND テクノロジーは、cDVR 市場の長期的なニーズを満たすためのロードマップを視野に、セル当たり 4 ビットを超えるスケールで構築されました。さらに、どちらの比較においてもコスト削減の効果は一方のサイトのみに限られる点は、繰り返し強調する意味があります。cDVR サービス・プロバイダーがストレージ・モダナイゼーションを通じた大規模なコスト削減を目指していることからも、D5 シリーズが持つメリットはますます明確になるはずです。

SATA、TLC、 QLC の 5 年間の総運用コスト一覧

表3. サイト数の違いによる TCO の推移で見た TLC NAND SSD と QLC NAND SSD の比較。

QLC NAND SSD に備わる cDVR ワークロードでの十分な耐久性

ソリダイムの D5 シリーズ SSD は、クラス最高の耐久性を備え[6]、これに大容量が組み合わさることで、cDVR ワークロードに十分すぎる以上の耐久性をもたらします。

cDVR ドライブの実質的な耐久性は、要求される書き込み総バイト数 (TBW、書き込みテラバイト数で測定) とストレージシステムの有効な TBW を比較することで判断できます。要求される書き込み数は、視聴用途に使用する cDVR 層への書き込み (プライベート・コピー・モデルでのピーク時の録画による書き込み要求) と、アーカイブ層への書き込み (古いコンテンツのピーク時間外の書き込みが大部分) の組み合わせです。 プロトタイプのシナリオ 1 つで 1 日当たり 7,272TB、つまり 1 年で合計 2,654,280TB となります。有効な TBW は、ストレージシステムのドライブの数に、全ドライブの 1 日当たり書き込み数 (DWPD) のレベル、ドライブの容量、5 年間の日数を乗算した数値で決まります。 ソリダイム™ D5-P5316 ドライブを使用する同じプロトタイプのシナリオでは、計算式は次のようになります。ドライブ数 1,216 × DWPD 0.41 × 30.72TB /ドライブ容量 × 365 日 / 年 × 5 年 = 5 年間で 27,951,268 TBW (*このテキストは引用符またはその他の方法でハイライト表示すること) 「有効 TBW (27,951,268)」を 1 年に必要なテラバイト数 (2,654,280) で割ると、10.5 年間になります。これは、このプロトタイプの cDVR ワークロードで、仕様書に明記されたドライブ耐用年数の 2 倍を上回り利用できる耐久性がソリダイムの QLC NAND SSD に備わっていることを実証する数値です。 結論: cDVR サービスにすぐに導入可能なソリダイムの D5 シリーズ SDDQLC NAND は、皆さんが考えているほど最近になって登場したテクノロジーではありません。 現在ソリダイムが提供している QLC 3D NAND SSD 製品はすでに第 3 世代になり、第 1 世代から継続して TLC NAND テクノロジーに匹敵する JEDEC 標準の品質と信頼性を実現しています。その品質と信頼性は HDD のレベルをはるかに上回り、cDVR ワークロードに十分以上の耐久性を提供します。

 

SATA や NVMe ベースの TLC NAND SSD を搭載したストレージサーバーを超え、総保有コスト (TCO) と拡張性の両面でアドバンテージをもたらす成熟した QLC NAND テクノロジーは、cDVR サービス・プロバイダーにとっての確実な選択肢です。


[1] Mediakind、 「Cloud DVR – what have we learned from the last 6-8 years?」Mediakind.com/blog/cloud-dvr-what-have-we-learned-from-the-last-6-8-years/

[2] ソリダイムの SSD 製品に明記している GB 当たりのコストは、2021年9月27日時点の希望カスタマー価格 (RCP) に基づいています。実際の価格は異なる可能性があり、TCO モデルに適用する価格が反映されていない場合があります。

[3] ソリダイムの SSD 製品の実際の年間平均故障率 (AFR)。ソリダイムD3-S4511は、ソリダイム社内のTLC SSDおよびQLC SSDデータに基づいています。 ソリダイムD5-P5316は、内部のソリダイムTLC SSDおよびQLC SSDデータに基づいて、実際のAFRを推定しています。

[4] 2021年5月時点のインテルの市場調査に基づいています。

[5] Micron 93000 SSD の GB 当たりコストは、Newegg での価格 (2021年9月27日現在) に基づいています。ソリダイムの SSD 製品に明記している GB 当たりのコストは、2021年9月27日時点の希望小売価格 (RCP) に基づいています。実際の価格は異なる可能性があり、TCO モデルに適用する価格が反映されていない場合があります。

[6] クラス最高の耐久性。7.68TB のソリダイム™ D5-P4320 (2,803 TBW) と、micron.com/products/ssd/product-lines/5210 に記載されている 7.68TB の Micron 5210 ION SSD (700 TBW) を比較。実際のコストや結果は異なる場合があります。 テストでは、特定のシステムによる個々のテストでのコンポーネントの性能を実証しています。

ハードウェア、ソフトウェア、システム構成などの違いにより、実際の性能はテスト結果や掲載された評価とは異なる場合があります。 購入を検討される場合は、ほかの情報も参考にして、パフォーマンスを総合的に評価することをお勧めします。

記載されているコスト削減シナリオは、指定の状況と構成で、特定のソリダイム製品が今後のコストに及ぼす影響と、その製品によって実現される可能性のあるコスト削減の例を示すことを目的としています。 状況によって異なる可能性があります。ソリダイムは、いかなるコストもコスト削減も保証いたしません。

ソリダイムは、本資料で参照している サードパーティーのデータの設計や実装について管理や監査を行っていません。 本資料で参照しているウェブサイトまたは類似の性能ベンチマーク・データが報告されているほかのウェブサイトも参照して、本資料で参照しているベンチマーク・データが購入可能なシステムの性能を正確に表しているかを確認されるようお勧めします。ソリダイムのテクノロジーを使用するには、対応したハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。

絶対的なセキュリティを提供できる製品またはコンポーネントはありません。 実際のコストや結果は異なる場合があります。 実際の性能は使用状況、構成、その他の要因によって異なります。 ソリダイムは人権を尊重し、人権侵害の発生を回避するよう尽力しています。

ソリダイムの製品およびソフトウェアは、国際的に認められている人権を侵害しない、または侵害の原因とならないアプリケーションにのみ使用されることを目的としています。 ソリダイムは、サードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。他の情報も参考にして、データの正確さを評価してください。Solidigm、ソリダイム、Solidigmロゴは、SK hynix NAND Product Solutions Corp. (米国における商号: Solidigm) の商標です。 Intel、インテル、Intel ロゴ、その他のインテルの名称やロゴは、Intel Corporation またはその子会社の商標です。その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。