HDDと比較して、ソリダイムSSD D5-P5316は、次のような機能を有します。
QLC 3D NAND SSD は、TLC のようなリード性能とともに、密度の最適化を行うため、リード負荷の高いストレージ・ワークロードの設備投資 (CapEx) を大幅に削減するのに役立ちます。
人工知能 (AI)、ビッグデータ・アナリティクス、コンテンツ配信・ネットワーク (CDN) などの最新のミッション・クリティカルなワークロードはすべて、膨大な量のデータへの高速アクセスに依存しています。 しかし、これらのデータのストレージに関しては、組織はパフォーマンス、容量、コスト、信頼性のバランスを取るために苦労しています。 ハードディスク・ドライブ (HDD) は、低コストで大容量のストレージを提供しますが、最新のアプリケーションで要求される高速読み込みアクセスには対応できません。トリプルレベル・セル (TLC) NAND ソリッドステート・ドライブ (SSD) は、キャッシュ・アプリケーションなどの混合ワークロードやライト負荷の高いワークロードでより高いパフォーマンスを提供しますが、一般的にはリード中心の最新のデータ・ワークロードのコストと容量の要件を満たすことはできません。その結果、企業は、HDD と TLC NAND SSD との間のコスト / パフォーマンスのギャップに直面します。クワッドレベル・セル (QLC) NAND SSDには、コスト効率の高い大容量と、ウォームデータに対する優れたリード性能が組み合わさっており、このギャップを埋めるのに役立ちます。 特に、ソリダイムのQLC 3D® NAND SSDは、実証済みの耐久性、信頼性、リード向けに最適化されたパフォーマンスを提供しながら、同時にデータセンターでの統合を通じて、総保有コスト (TCO) の削減を支援します。 実環境のワークロード向けに実証済みの耐久性ドライブの耐久性は、通常、1 日あたりのドライブ書き込み (DWPD) または書き込みの合計バイト数で測定され、書き込みテラバイト数 (TBW) または、書き込みペタバイト数 (PBW) のいずれで示されます。測定された耐久性は、半導体技術協会 (JEDEC) の仕様に基づき、最悪に近いシナリオ (100% のランダムな書き込みと 4K ブロックサイズを備えた 40/60 のリード / ライト比率のワークロード) を想定しています。 このシナリオは、AI や CDN で使用されるようなものなど、前述したリード負荷の高いワークロードのタイプを代表するものではありません。ソリダイムの見解として、2 つの測定値のうち、 PBW がより正確な耐久性の数値を算出していると考えています。大容量 SSD の余分なスペースは、大きなドライブ・フットプリント全体に摩耗を分散させることで耐久性を高めることができるものの、DWPD は容量を考慮しません。これに対して、PBW は、記載された寿命期間にわたってドライブに書き込むことができるデータの総量を示します。PBW は、容量を考慮することで、大容量 QLC NAND SSD を、より幅広い範囲の SSD や HDD と比較する際に、より有用で現実的な測定値を算出します。PBW に基づいて、ソリダイム™ SSD D5-P5316 は、図 1 に示すように、QLC NAND SSD で業界最高レベルの耐久性を提供しており、HDD をはるかに上回っています。[3]
また、図 1 は、QLC NAND SSD の耐久性能とアプリケーションのワークロード間の関係も強調しています。例えば、アプリケーションが大きなブロックデータのシーケンシャル・リードに依存している場合、小さなブロックサイズの頻繁なランダム書き込みに依存するアプリケーションよりも QLC NAND SSD への負担がはるかに少なくなります。2020年2月の USENIX カンファレンスで発表された大規模な調査では、QLC NAND SSD が、現代のビジネスが依存するリード中心のワークロードで十分なレベルの耐久性を提供することを示しています。調査では「99% のシステムで、ドライブの定格寿命の最大 15% しか使用されないため、大多数の企業ユーザーにとって、QLC の PE サイクル制限への移行はリスクをもたらさないと予測する」と述べられています。[4]
ソリダイム™ QLC 3D NAND SSD は、TLC NAND SSD と同等のレベルで HDD よりもはるかに高いレベルの信頼性を提供します。例えば、ソリダイム™ SSD D5-P5316 は、訂正不能なビットエラー率 (UBER) は一般的な 2 つのエンタープライズ HDD の100分の1である一方で、 PBW に基づく耐久性の高さは8 ~ 38 倍となっています。[3]
さらに、NAND SSD の実環境での信頼性測定結果は、期待をはるかに超えた数値を示しています。2020年2月の USENIX カンファレンスで発表された大規模な調査では、NAND SSD の平均年間交換率 (ARR) は、HDD の 2 ~ 9% と比較して、最低 0.07% からおよそ 1.2% にわたることが分かりました。
2 つの範囲を比較すると、NAND SSD は、HDD の対応製品よりも 7.5 ~ 28 倍低い ARR を実現しています。[4]一部の特性により、SSDには HDD 以上に統合の明確な利点が存在します。NAND SSD は、HDD とは異なり、許容可能なレベルのパフォーマンスを達成するためのレプリケーションを必要とせず、一般的に信頼性向けにも HDD よりもはるかに少ないレプリケーションを必要とします。また、SSD のパフォーマンスが向上することで、HDD よりも効率的なデータの削減も可能にします。また、最新の圧縮および重複排除のアルゴリズムが、SSD 向けに最適化されているため、「使用可能な容量」の要件を満たすために必要な生のストレージの容量は、HDD よりもはるかに少なくなります。
これらの SSD 統合の利点は、特に、NAND SSD のコストが継続的に低下しているため、ウォームデータ・ストレージ向けの HDD よりも大幅なコスト削減につながります。Wikibon の調査アナリスト David Floyer によると、2026年までに、生産効率により、SSD は、1 テラバイト当たり 1 ドルで、HDD よりも安価になることが予想されています。[6]QLC NAND SSD は、HDD の交換時ほど大きくはありませんが、TLC SSD の導入よりも大幅な節約が可能です。QLC NAND は、TLC NAND と比較して、高密度なストレージと、その結果として生じる TB 当たりのコスト節約により、設備投資 (CapEx) における利点を提供します。また、QLC NAND のリード性能は、TLC NAND と同等であるため、リード負荷の高いワークロードで魅力的な TCO の機会を提供します。
ビデオ・オンデマンド (VoD) ネットワークなどの CDN では、HDD の代わりにソリダイム™ QLC 3D NAND SSD を使用して、厳しいサービスレベル契約 (SLA) を満たすために必要なレベルのパフォーマンスと耐久性を提供しながら、ストレージを統合するという理想的なケーススタディーを提供します。
HDD と TLC NAND SSD を組み合わせた、中級レベルの CDN を導入すると想定します。SLA を満たすために、アレイにはノード当たり 480TB の容量、およびノード当たり 190 Gbps のスループットが必要です。HDD ストレージは、サーバー当たり 111TB、51 Gbps で、総スループットの要件を満たすために、容量要件を超えて大幅にオーバープロビジョニングする必要があります。 この例では、オーバープロビジョニングされたアレイをすべて QLC NAND SSD に置き換えることにより、ほぼ 5 倍のサーバーを統合し、TCO を最大 42% 削減できます。 [7]これらの目覚ましい成果は、QLC NAND SSD のリードに最適化されたパフォーマンスによってもたらされます。これにより組織は、TLC NAND SSD をキャッシュドライブとして使用することを排除し、HDD をよりスペース効率および運用効率の高い容量のストレージに置き換えることができます。
大容量でリードに最適化されたソリダイム™ QLC 3D NAND SSD により、実証済みのテクノロジーを信頼して、TCO を削減しながら、より多くのウォームデータからより多くの価値を引き出すことができます。こちらからホワイトペーパー「QLC NAND テクノロジーのデータセンターにおけるメインストリームとしての使用準備が目前まで進む」の全文をお読みいただけます。
[1] 「ウォームストレージのフットプリントを最大 20 倍削減」という記述は、1PB のストレージを満たすために 10 (2U) のラックスペースを必要とする 4TB HDD と、30.72TBのソリダイム™ SSD D5-5316 E1.L または 1PB のストレージを満たすために1U のラックスペースを使用するU.2 ドライブ との比較に基づいています。これは、最大 20 倍のラックを統合できることになります。
[2] ソリダイム™ SSD D5-P5316 をベースとしたシーケンシャル・リード処理 (https://www.solidigm.com/products/data-center/d5/p5316.html)、Seagate Exos X18 との比較に基づく (seagate.com/files/www-content/datasheets/pdfs/exos-x18-channel-DS2045-1-2007GB-enSG.pdf)。
[3] ソリダイム™ SSD D5-P5316 ドライブの耐久性は、64KB のランダムな書き込みおよび 64KB のシーケンシャル・ライト・ワークロードに基づいています。「20% OP」は、オーバープロビジョニングされたドライブの耐久性を示します。オーバープロビジョニングは、使用可能なエリアの 80% のサイズのネームスペースを作成することで行うことができます。Seagate Exos X18 の耐久性は、Seagate のデータシートから取得しています。seagate.com/files/ www-content/datasheets/pdfs/exos-x18-channel-DS2045-1-2007GB-enSG.pdf Western Digital Ultrastar DC HC650 の耐久性は、Western Digital のデータシートから取得しています。https://documents.westerndigital.com/content/dam/doc-library/enus/assets/public/western-digital/product/data-center-drives/ultrastar-dc-hc600-series/ data-sheet-ultrastar-dc-hc650.pdf。HDD DWPD の計算: (550TB/ 年)/365 日 / 容量 (TB)。HDD PBW の計算: ((550TB/ 年)*5 年)/1000。
[4] Stathis Maneas & Kaveh Mahdaviani (トロント大学)、 Tim Emami (NetApp)、 Bianca Schroeder (トロント大学)、「A Study of SSD Reliability in Large Scale Enterprise Storage Deployments」、2020年2月、usenix.org/system/files/fast20-maneas.pdf。
[5] 信頼性評価の出典: ソリダイム、「ソリダイム™ SSD D5-5316 は0.41 DWPD で業界最高レベルの耐久性を提供」https://www.solidigm.com/products/data-center/d5.html (英語)。Western Digital データシート: Ultrastar DC HC650、https://documents.westerndigital.com/content/dam/doc-library/enus/assets/public/ western-digital/product/data-center-drives/ultrastar-dc-hc600-series/data-sheet-ultrastar-dc-hc650.pdf。Seagate データシート: Exos X18、seagate.com/files/www-content/datasheets/pdfs/ exos-x18-channel-DS2045-1-2007GB-enSG.pdf。
[6] Wikibon、「QLC Flash HAMRs HDD」、2021年1月、https://wikibon.com/qlc-flash-hamrs-hdd/。
[7] ハイブリッド TLC SSD と HDD アレイから全 QLC SSD アレイへのアップグレード時に 5 倍以上のサーバー統合および最大 42% の TCO 削減のソース: ベースライン・サーバーの推定ユーザー数 2 万人、最小容量 480TB、ターゲット・スループット 190 Gbps および 85% のキャッシュヒット率。2 x インテル® Xeon® 6330 スケーラブル・プロセッサー、512GB のメモリー、12 x 8TB Seagate Exos HDD (2.088 Gbps スループット)、2 x 7.68TB ソリダイム™ SSD D7-P5510 (56 Gbps スループット) のサーバー構成ごとのハイブリッド・アレイ。ストレージ除くハイブリッド・アレイ (CPU + メモリー + RAID コントローラー + NVM Express [NVMe] Expander + シャーシ + 電源) の実質コスト: 10,530 ドル。2 x インテル® Xeon® 6338N スケーラブル・プロセッサー、512GB のメモリー、20 x 30.72TB ソリダイム™ SSD D5-P5316 (54.4 Gbps スループット) のサーバー構成ごとの全 QLC。ストレージ除く全 QLC サーバーのコスト (CPU + メモリー + RAID コントローラー + NVMe Expander + シャーシ + 電源) の実質コスト: 11,530 ドル。
HDD の価格は serversupply.com/HARD%20DRIVES/SATA-6GBPS/8TB-7200RPM/SEAGATE/ST8000NM000A326073.html を参照 (2021年3月15日時点)。SSD の価格は、ソリダイム™の予算価格です。実際の価格は異なる可能性があり、TCO モデルに適用する価格が反映されていない場合があります。
運用コストは、1,100 ワット / サーバー 0.12 ドル /kWh の電力および冷却、RU ごとの年間ラックコスト は 75.76 ドルにて推定。実際の性能は使用状況、構成、その他の要因によって異なります。
詳しくは https://www.solidigm.com/products/data-center (英語) を参照してください。性能の測定結果は、構成情報に記載された日付時点のテストに基づいています。また、現在公開中のすべてのアップデートが適用されているとは限りません。
構成の詳細については、補足資料を参照してください。絶対的なセキュリティを提供できる製品またはコンポーネントはありません。実際のコストや結果は異なる場合があります。 ソリダイムのテクノロジーを使用するには、対応したハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。ソリダイムは、サードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。他の情報も参考にして、データの正確さを評価してください。
© Solidigm 2024