QLC NAND Flashで最新のデータセンターにデータストレージを提供

ジェフ・ヤヌコヴィッチ氏が執筆したIDC記事の要約

Programmer in a data center after installing QLC SSDs
Programmer in a data center after installing QLC SSDs

あらゆる業界にわたってデータが爆発的に増加する中、データセンターはストレージの需要の高まりに対処すべく、新たなテクノロジーの検討と実装を始めています。 これらのテクノロジーの中でも、クワッドレベル・セル (QLC) NANDフラッシュは、データセンターの総保有コスト (TCO) を大幅に削減しながら、高いパフォーマンス、耐久性、容量を提供するものとして非常に高い期待が寄せられています。

結論: QLCの利点の概要

この記事の要約では、International Data Corporation (IDC) のソリッド・ステート・ドライブおよびイネーブリング・テクノロジー担当リサーチ・バイスプレジデントであるジェフ・ヤヌコヴィッチ氏が最近執筆したアナリスト・ブリーフについて簡単に紹介しています。この記事では、QLC NANDフラッシュ・テクノロジーがデータセンターにもたらす多くの利点が検討されています。

QLC NANDフラッシュは、ストレージの密度やコスト効率の向上といった特筆すべき利点を備えており、大量のデータを扱う環境にとって魅力的な選択肢となる。
ジェフ・ヤヌコヴィッチ氏、IDC

この主張は、「今日の最新のワークロードのほとんどは、リード負荷の高いデータ集約型である」という見解によってさらにバックアップされ、強調されています。この重要な特徴は、データセンター設計者がQLCの利点を他のNANDフラッシュ・テクノロジーと比較検討する際の判断材料となります。

進化する消費者のニーズを解剖

他の代替NANDフラッシュと比べた際のQLCの利点について詳しく検討する前に、IDCのアナリスト・ブリーフでは、データセンターが新しいストレージ技術を選択する際に影響を与える可能性の高い消費者のニーズの発展に焦点をあてており、次の3つのニーズを強調しています。 

  1. IT予算の逼迫。これは、コスト効果の高いストレージへのニーズが高まっていることを示しています。
  2. ITの複雑さの増加。これは、多様なデータとアプリケーションをシームレスに処理できる、より汎用性の高いストレージに対する需要を示しています。
  3. 戦略的イニシアチブとしてのサステナビリティ。スペースを節約し、貪欲に電力を消費せず、より効率的に冷却を維持するストレージの必要性を示しています。

最新のデータセンターにおけるHDDに対するSSDの優位性

IDCのアナリスト・ブリーフでは、NANDストレージ技術に関する議論を始めるにあたり、今日のデータセンターにおけるHDDに対するSSDの優位性について触れています。要約すると、これらの利点は「データアクセスの高速化、レイテンシーの短縮、システム全体のパフォーマンスの向上」に集約され、本レポートでは、これらの利点は現代のデータセンター運用において不可欠なものであり、「データにアクセスする際やデータに基づいて重要な意思決定を下す際に、マイクロ秒の差は非常に大きい」としています。

もうひとつの指摘された利点が適応性です。幅広いNANDテクノロジーを利用できるだけでなく、フォームファクターや容量の数も多いため、SSDはスペースを節約しながら、幅広い構成やアプリケーションに適合することができます。そのため、発展し続けるデータセンターにとって、より将来性のあるものとなります。

QLC NANDフラッシュの定義とその利点

IDCのアナリスト・ブリーフでは、QLC NANDフラッシュを「メモリセルごとに4ビットのデータを格納する不揮発性メモリ技術であり、シングルレベル・セル(SLC)、マルチレベル・セル(MLC)、トリプルレベル・セル(TLC)のNANDフラッシュとは異なる」と定義しています。以下の点をQLC NANDの利点として挙げています。

  • コスト効率性と高いストレージ密度
  • 大規模なデータセットを格納できる高容量
  • 消費電力と冷却要件を削減可能
  • リードおよびライト・パフォーマンスを向上

結論として、IDCは、コスト効率性と強固な性能のバランスがとれた大容量ストレージを求めるデータセンターにとって、QLC NANDフラッシュ・ドライブは魅力的な選択肢となるとしています。

QLCに投資する前の考慮事項

QLC NANDフラッシュ・テクノロジーの利点について概説した後、IDCのアナリスト・ブリーフでは、QLCドライブに投資する前に考慮すべき事項として、以下を含めた一覧を提供しています。

  • 耐久性と耐用寿命を管理するためのテクニック。
  • QLCのパフォーマンス特性。
  • エラー訂正と信頼性戦略。

本レポートでは、これらの各要因について詳細に検証することで、QLCの限界と、潜在的な投資を最大限に活用するために強化できる可能性のあるQLCの特定の領域について説明し、読者の理解を深めています。

データセンターへのQLC NANDフラッシュ導入 - ベスト・プラクティス

IDCのアナリスト・ブリーフの最後のセクションでは、データセンターにQLC NANDフラッシュ・テクノロジーを導入する際に従うべきいくつかのベスト・プラクティスを取り上げています。「まずは、ワークロードの要件とデータ・アクセスのパターンを理解することから始まる」とし、データセンターのアーキテクトが「どのアプリケーションとデータ・タイプがQLC NANDフラッシュに適しているか」を理解する必要があるとしています。また、QLCが優れた選択肢となる導入ケースとして、以下を含めたいくつのケースを挙げています。

  • ストレージ・アレイ 
  • オブジェクト・ストレージ
  • サーバー
  • 仮想化環境
  • コンテキスト配信ネットワーク (CDN)
  • データ・アナリティクス

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データセンターにQLC NAND フラッシュを採用することで得られる多くの利点と、その利点を最大限に活用する方法や、活用すべきエリアについてのIDC見解については、ジェフ・ヤヌコヴィッチ氏が執筆したIDCアナリスト・ブリーフの全文をご覧ください。