あらゆる業界にわたってデータが爆発的に増加する中、データセンターはストレージの需要の高まりに対処すべく、新たなテクノロジーの検討と実装を始めています。 これらのテクノロジーの中でも、クワッドレベル・セル (QLC) NANDフラッシュは、データセンターの総保有コスト (TCO) を大幅に削減しながら、高いパフォーマンス、耐久性、容量を提供するものとして非常に高い期待が寄せられています。
この記事の要約では、International Data Corporation (IDC) のソリッド・ステート・ドライブおよびイネーブリング・テクノロジー担当リサーチ・バイスプレジデントであるジェフ・ヤヌコヴィッチ氏が最近執筆したアナリスト・ブリーフについて簡単に紹介しています。この記事では、QLC NANDフラッシュ・テクノロジーがデータセンターにもたらす多くの利点が検討されています。
この主張は、「今日の最新のワークロードのほとんどは、リード負荷の高いデータ集約型である」という見解によってさらにバックアップされ、強調されています。この重要な特徴は、データセンター設計者がQLCの利点を他のNANDフラッシュ・テクノロジーと比較検討する際の判断材料となります。
他の代替NANDフラッシュと比べた際のQLCの利点について詳しく検討する前に、IDCのアナリスト・ブリーフでは、データセンターが新しいストレージ技術を選択する際に影響を与える可能性の高い消費者のニーズの発展に焦点をあてており、次の3つのニーズを強調しています。
IDCのアナリスト・ブリーフでは、NANDストレージ技術に関する議論を始めるにあたり、今日のデータセンターにおけるHDDに対するSSDの優位性について触れています。要約すると、これらの利点は「データアクセスの高速化、レイテンシーの短縮、システム全体のパフォーマンスの向上」に集約され、本レポートでは、これらの利点は現代のデータセンター運用において不可欠なものであり、「データにアクセスする際やデータに基づいて重要な意思決定を下す際に、マイクロ秒の差は非常に大きい」としています。
もうひとつの指摘された利点が適応性です。幅広いNANDテクノロジーを利用できるだけでなく、フォームファクターや容量の数も多いため、SSDはスペースを節約しながら、幅広い構成やアプリケーションに適合することができます。そのため、発展し続けるデータセンターにとって、より将来性のあるものとなります。
IDCのアナリスト・ブリーフでは、QLC NANDフラッシュを「メモリセルごとに4ビットのデータを格納する不揮発性メモリ技術であり、シングルレベル・セル(SLC)、マルチレベル・セル(MLC)、トリプルレベル・セル(TLC)のNANDフラッシュとは異なる」と定義しています。以下の点をQLC NANDの利点として挙げています。
結論として、IDCは、コスト効率性と強固な性能のバランスがとれた大容量ストレージを求めるデータセンターにとって、QLC NANDフラッシュ・ドライブは魅力的な選択肢となるとしています。
QLC NANDフラッシュ・テクノロジーの利点について概説した後、IDCのアナリスト・ブリーフでは、QLCドライブに投資する前に考慮すべき事項として、以下を含めた一覧を提供しています。
本レポートでは、これらの各要因について詳細に検証することで、QLCの限界と、潜在的な投資を最大限に活用するために強化できる可能性のあるQLCの特定の領域について説明し、読者の理解を深めています。
IDCのアナリスト・ブリーフの最後のセクションでは、データセンターにQLC NANDフラッシュ・テクノロジーを導入する際に従うべきいくつかのベスト・プラクティスを取り上げています。「まずは、ワークロードの要件とデータ・アクセスのパターンを理解することから始まる」とし、データセンターのアーキテクトが「どのアプリケーションとデータ・タイプがQLC NANDフラッシュに適しているか」を理解する必要があるとしています。また、QLCが優れた選択肢となる導入ケースとして、以下を含めたいくつのケースを挙げています。
データセンターにQLC NAND フラッシュを採用することで得られる多くの利点と、その利点を最大限に活用する方法や、活用すべきエリアについてのIDC見解については、ジェフ・ヤヌコヴィッチ氏が執筆したIDCアナリスト・ブリーフの全文をご覧ください。