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FI-TS による分散型ストレージ・プラットフォーム

金融サービス企業は、分散型のソフトウェア定義ストレージを使用することで、総所有コストを削減することができます。

概要
  • Finanz Informatik Technologie Service (FI-TS) は、ドイツの大手金融サービス・保険会社にサービスを提供するクラウドサービス・プロバイダーです。
  • FI-TS は、Lightbits Lab とインテルの協力を得て、インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーやインテル® Optane™ パーシステント・メモリー 200 シリーズなどのインテル® ハードウェア を幅広く利用した効率的なデータベースを開発しました。
今日のデータセンターでは、ストレージ容量とパフォーマンスの両方が十分に活用されていないことがあります。これには論理的な原因があります。インフラストラクチャーは、所定のサーバーやアプリケーションが要求し得る最大のストレージ容量と最高のパフォーマンスに応えられなければいけません。実際の一般的な導入環境を見てみると、ストレージ・パフォーマンスの使用率とストレージ容量の使用率の両方が低い、もしくは非常に低い状態にあります。この状況を改善し、お客様の要件を満たすため、ストレージ・ソリューションは急速に進化を遂げています。

Finanz Informatik Technologie Service (FI-TS) は、ドイツの大手金融サービス・保険会社にサービスを提供するクラウドサービス・プロバイダーです。このような大規模な組織では、膨大なデータベースを持ち、コスト削減と、高いレベルのパフォーマンスと安全なインフラストラクチャー・サービスを同時に要求します。これを達成するには、パフォーマンスや柔軟性を損なわずに、効率的にデータを増加させ、ストレージ容量の未使用状態を解決することが重要です。FI-TS は、このような課題に対する効果的なソリューションの開発支援を Lightbits Labs と インテルに依頼しました。

Fi-TS Lightbits のロゴ
ストレージとコンテナーにおける課題

FI-TS DevOps チームは、社内で設計された NVM Express (NVMe) ベースのインフラストラクチャー上に構築されたクラウドネイティブ・サービスを提供するために、FI-TS の Kubernetes ベースの Finance Cloud Native 製品とのインタフェースのエンジニアリングをしていました。このソリューションで最も重要な要件は、欧州連合 (EU) とドイツのデータ・コンプライアンス関連の規制を満たすことでした。この法律には、データストレージ規制やドイツの連邦金融監督庁である BaFin が定める財務規制が含まれます。すべてのパーシステント・ストレージは、この要件を満たす必要があります。

残念ながら、FI-TS が当時使用していた直接接続の NVMe ストレージに依存した Kubernetes の環境で、この要件を満たすのは困難でした。Kubernetes のオーケストレーションでは、(NVMe 上の) ローカル・パーシステント・ボリュームが利用できましたが、データ保護を提供できないため、アプリケーション自体が高可用性を有する必要がありました。十分な高可用性がなければ、別のサーバーに移動したコンテナーは、以前に書き込んだデータへアクセスすることができなくなります。必要とされたのは、ローカル NVMe のように機能し、コンテナーにも対応でき、データの保護および保持に関する BaFin の要件も満たす、一元化された冗長ストレージ・ソリューションでした。

FI-TS においてその当時導入していた従来型 DAS では、演算能力に追加のストレージを拡張することができなかったため、ストレージとリソースの使用における非効率を抱えていました。FI-TS はこの問題を解決するために、従来のデータセンター・ストレージソリューションなどの代替ソリューションをいくつか検討しましたが、それらのコスト構造はビジネスケースと一致しませんでした。

高可用性への対応

FI-TS がサービスを提供する業界を考えたとき、ソリューションにはローカル・フラッシュのパフォーマンス・レートで高可用性を提供できるパーシステント・ストレージが必要でした。さらに、オーケストレーション層との統合や、共通ストレージインタフェース (CSI、Common Storage Interface) 規格を利用して Kubernetes と緊密な連携を取る必要もありました。最後に、複数の大規模組織がプラットフォームを利用するため、ソリューションは、マルチテナンシーに対応すると共に、EU やドイツの厳格な金融規制やプライバシー規制の遵守に対応する必要もありました。

FI-TS はこうしたニーズに応えるため、インテルのパートナーである Lightbits Labs の協力を仰ぎました。Lightbits は、LightOS で具体化された NVMe over TCP (NVMe/TCP) 規格の先駆者です。LightOS は、Kubernets との統合によりクラウドネイティブな永続ストレージを可能にし、クラスタリングによって前例のない拡張性と可用性を備えています。最適化された NVMe/TCP フロントエンドとインテリジェントなバックエンドのフラッシュ管理が、LightOS の Input/Output Per Second (IOPS) を実現しています。これは、アプリケーションから見ると、NVMeソリッド・ステート・ドライブ (SSD) と直接接続されているのと区別がつきません。Lightbits とインテルは引き続き協力して、NVMe over TCP を推進し、拡張性と効率性に優れ、使いやすいデータセンター向けクラウドネイティブ・ストレージを提供します。

成功への要件定義

FI-TS は、Lightbits とインテルと協力して目の前の課題を解決するため、ソリューションの以下に示す要件定義から始めました。

  • ストレージフットプリントを削減し、進化するニーズに対応する拡張可能なスケーラビリティー
  • 独自のインフラストラクチャーを持つ大規模組織に高可用性を提供する、クラウドサービス向けパーシステント・ストレージ機能
  • CSI 準拠の API を使って Kubernetes への直接アクセスを可能にした完全自動化ストレージ・アーキテクチャー
  • コンテナ化された環境で、サービスとしてのインフラストラクチャー (IaaS) を提供するオーケストレーション
  • 既存のインフラストラクチャーを補完する NVMe テクノロジー

FI-TS は、初期の詳細概念実証 (PoC) プロセス完了後、その結果得られたクラウドネイティブ分散型ストレージ・ソリューションが、パーシステント・ストレージ機能と高可用性の要件を満たしていると判断しました。これ以降、Lightbits とインテルと協力を続けて、オール・インテルベースの本番環境を構築しました。

クラウドネイティブなサービスとベアメタル・プラットフォームのチャート
パズルのピースを組み立てる

Lightbits は、NVMe/TCP を使用しているため、イーサネットや TCP/IP を使った FI-TS の既存インフラストラクチャーで実行されていたソリューションも問題なく動作します。これにより、Remote Direct Memory Access (RDMA) ベースのプロトコルやその他のストレージ・ファブリックに比べて、スケーリングの簡略化と効率化を可能にします。

Lightbits とインテルは、FI-TS の厳格なサービス保証品質 (SLA) の要件に応えることができました。その結果構築された Finance Cloud Native サービス・ソリューションでは、コンテナーボリュームに対応する Lightbits の LightOS 高性能ソフトウェア定義ブロックストレージと、以下に示す幅広いインテルハードウェアが統合されています。

  • 第 3 世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリー: 第 3 世代 インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー・ファミリーは、高性能および高速化を提供し、ストレージ・ソフトウェアにも最適化され、インテル® ボリューム・マネジメント・デバイス (インテル® VMD) およびエンタープライズ・クラスの SSD ホットプラグ機能も備えています。
  • インテル® Optane™ パーシステント・メモリー (PMem):インテル Optane PMem は、一般的な DDR4 DRAM DIMM の 2 倍以上の容量を持ちます。これにより、各サーバーの使用率が向上するため、TCO の大幅な削減につながります。また、インテル Optane PMem は、メモリー層でデータを保持することでデータへのアクセスを容易にするとともに、入力/出力 (I/O) 負荷の高いボトルネックを解消するメモリプールも拡張し、Finance Cloud Native の大容量データセンターの将来的な需要増に備えます。
  • インテル® QLC 3D NAND SSD: インテル® QLC 3D NAND テクノロジーは、優れた読み取り性能と拡張性を備えた大容量のストレージを提供し、ハードディスクドライブ (HDD) のみ、またはハイブリッド (HDD とトリプルレベルセル [TLC] SSD) のシステム・フットプリントの縮小に役立つ低価格なソリューションです。
  • Application Device Queues (ADQ) テクノロジーを搭載インテル® Ethernet 800シリーズ: ADQ テクノロジーにより、NVMe over Fabrics (NVMe-oF)/TCP は、RDMA ベースプロトコルと同程度の分散ストレージ性能を実現します。一方、NVMe-oF/TCP は、容易な導入と高い拡張性により、幅広く採用されています。
イノベーションはストーリーの部に過ぎません

FI-TS にとって最も重要なことは、Finance Cloud Native サービスのコスト構造に合わせ、移植性を維持しながら、コンテナ化された環境で飛躍的に進歩したローカルフラッシュに匹敵する性能を発揮できるパーシステント・ストレージが提供可能になったことです。しかし今回の成果は、このようなイノベーションにとどまりません。Lightbits とインテルは、FI-TS のもう一つの主要な要件である高可用性と CSI を使った Kubernetes との緊密な統合も実現しました。また、このサービスには NVMe over TCP が採用されており、イーサネットや TCP/IP を使った FI-TS の既存インフラストラクチャーで実行されていたソリューションも問題なく動作します。これにより、RDMA ベースのファブリックやその他のストレージ・ファブリックに比べて、スケーリングの簡略化・効率化が可能になります。

FI-TS ストレージ・テクノロジーの基盤となる LightOS ソフトウェアは、最新のインテルのハードウェア・テクノロジーの上に構築されていおり、お客様は非常にシンプルでスケーラブルな方法で、高性能なアプリケーションを実行することができます。

Kam Eshghi

最高戦略責任者、Lightbits

LightOS ストレージがもたらす違い

FI-TS が Finance Cloud Native サービスを導入したことで、お客様の環境のプロビジョニングが完全に自動化され、API 駆動型で、柔軟で使いやすい導入モデル実現し、競合他社との明確な差別化に成功しました。 このサービスは、高 IOPS、低レイテンシー (負荷下においても)、高帯域、応答時間が一定の高可用性を実現します。 インテリジェント・フラッシュ管理 Finance Cloud Native サービスのインテリジェント・フラッシュ管理により、顧客はKubernetes 環境のベアメタルで、数日ではなく、数分でサービスを立ち上げられるようになります。2 これに加えて、薄型のプロビジョニング、圧縮、スナップショット、シンクローン、ストレージのサービス品質 (QoS) などの利点を利用しながら、高パフォーマンス、ソフトウェア定義のボリュームのプロビジョニングが容易に行えます。 LightOS は、インテル® Optane™ PMem モジュールへのランダムな書き込みを確認してから、QLC SSD に順次書き込んでいくため、フラッシュの耐久性が向上します。 インテル® Optane PMem 200 シリーズと第 3 世代インテル® Xeon® Xeon® スケーラブル・プロセッサーのおかげで、このソリューションでは、同じ数のコンテナーと同じスループットを維持しつつ、ノードあたり 704GB の 8 ノード・クラスターをノードあたり 2,560GB の 5 ノード・クラスターに統合できました。3 信頼性とスケーラビリティー LightOS は、Kubernetes クラスターのスケーリングを自動化します。 これにより、ストレージクラスター全体の動的なリバランスと、ボリュームの動的なサイズ変更が可能となり、ストレージ・パフォーマンスおよび容量の個別スケール化を可能にするスケールアウト・アーキテクチャーが実現し、Finance Cloud Native のお客様の要求に応える俊敏性が提供されます。 この分散型アプローチが、ストレージとコンピューティングの比率を性能要求に応じて変更可能にする柔軟性を提供します。 ドライブやサーバーの障害保護、可用性の高い管理機能や検出サービス、何十万ものクライアントを確実に対応する能力など、信頼性は組み込まれています。 セキュリティの強化とコンプライアンスの徹底 LightOS は、複数のプロジェクトとテナントを専用コンピューティング・サーバーと、完全に分離したLightbits ストレージでサポートしています。これにより、すべての FI-TS のお客様が、ご自分の本番環境でセキュリティーが有効になっていることを確認できます。 また、Finance Cloud Native のお客様は、自分たちのエンドユーザーのデータが、欧州やドイツの法規制に対応する高度な保護を受けていることで安心感を得ることができます。 FI-TS を差別化するソリューション Lightbits とインテルのソリューションにより、FI-TS における顧客への導入作業が容易になりました。 なぜなら、Finance Cloud Native サービスが独自のクライアント・ソフトウェアを使うことなく、シンプルなアプリケーション環境の統合と標準的な TCP/IP ネットワーク・インフラストラクチャーを使ってサービスを提供しているからです。 さらに、業界標準のストレージサーバー・ハードウェアが使用できるため、コストを抑えることができます。 最終的に FI-TS は Lightbits とインテルとのコラボレーションにより、リソース使用率とパフォーマンスの向上、データの効率的なスケーリング、TCO の削減を実現しました。 FI-TS は、顧客の最重要ニーズに応えるこどで大きな差別化に成功しました。

LightBits OS ソフトウェアとインテルのハードウェアに構築されたプラットフォームにより、顧客が要求するパフォーマンスを提供し、データが安全な状態であることを伝えることができました。

Gero Skopinski

Finanz Informatik Technologie Service クラウド・ソリューション代表

Finanz Informatik Technologie Service (FI-TS) は、ドイツ国内の大手金融サービス・保険会社の IT 業務をサポートし、メインフレームのホスティングからパブリック・クラウド・サービスに至るあらゆるサポートを提供しています。 FI-TS は、金融および保険業界で長年にわたる経験を持っており、業界にとってのデジタル・トランスフォーメーションの橋渡し役と言えます。 FI-TS は、規制遵守の要件を満たすクラウド技術を提供し、柔軟な IT セキュリティソリューションを提供します。

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